お風呂deプログレ
〜略して「風呂グレ」〜
ひとり暮らしをずーっと続けている僕は、入浴は大抵シャワーで済ませている。
「入浴」なのに「シャワー」とはこれいかに? なあんてことはどうだっていいこととして、やはりたまには全身あったまってルィルァァクス(relaxの外国人発音ね)したい時だってあるさ。そのお湯を洗濯に使うことだってあるさぁ。
そんな時々の入浴だからこそ、ゆっくりしたいものである。そんな時、BGMがあればどんなに気持ちのいいことか!……そう思い、大学生なりたての頃から初め、とっくに学生ではなくなった現在でも続けている習慣がある。
「お風呂deプログレ」である。
んまあ、プログレじゃなくてロックだのクラシックだのアンビエントだの、いろんなものを聴くのだが、略すと「風呂グレ」になって、何だか微笑ましい響きになるので僕はこう呼んでいる。つまりは「お風呂で音楽を聴きまっ、しょ――(桂三枝調で)」ということなんですね。
「えっ? 風呂で音楽って、CDのレンズが曇って壊れちゃうんじゃないの?」
「それ以前にウチはラジカセじゃないから風呂まで持ってけないよ」
「いや俺ぁラジカセだけど持ってくのは面倒だなぁ」
などなど、様々な疑問点はあるでしょう。
だもんで、僕が実際に用いている方法をふたつ、ご紹介しましょう。
[その1:カセット・テープ]
まずは、実家に帰った際に用いる方法です。
正しくは、予備校の頃からやっちゃいたんだが、本格的に「風呂グレ」にハマるのは大学生になってからでしたかんね。んで実家に帰ると、アパートなんかの部屋じゃないんで、もちろん風呂は自分の部屋からはチト遠いわけです。コンセントを延ばせる範囲じゃない。
そこで、旧式の今や1,980円ぐらいで買えてしまうカセット・ラジカセの登場なのです。
パンパカパーンと登場したこのカセットとラジオしか使えない元祖ラジカセくんは、しかしCD主体の現在では、未だにCD再生機器を持っていない主婦や、カセット・テープでもモダンだのハイテクだのと言ってしまうお爺ちゃんお婆ちゃんぐらいであるため、実はもうオンボロとされる時代である。だから安い。
だからこそ、チト乱暴に扱っても大丈夫、という側面もある。
機械というものは、レヴェル・アップする度に繊細になっていくのが世の常である。だもんでそれを逆手に取れば、昔のものはけっこう丈夫、ということなのだ。ちょっとぐらいの湯気をもうもうと浴びてしまおうとも(←これ伏線ね)。
だもんで、そいつを風呂の脱衣所に持ち込むのです。おおっと、浴室に直接持ち込むんじゃないことに気を付けてくれよ。幾ら丈夫なラジカセくんでも、水を浴びたら風邪引くどころかいきなり肺炎になっちまって、ウンともスンとも言わなくなってしまうのだ。
で、それを洗濯機(ウチは脱衣所に洗濯機があるのだ)の上に乗せます。浴室の方にスピーカー部分(オモテ面)を向けて、洗濯機のコンセントを使うのです。もし「洗濯機ないぜ」という方は、延長コードで近くの電源を拾いましょう。
そして浴室のドアを少ーしだけ、音が聞こえてくる程度に開けておく。全開しちゃダメよ。ラジカセ云々以前に、脱衣所が湯気でベッチョベチョになっちゃいますかんね。
で、事前に編集しておいたカセット・テープを流すわけです。おおカセット・テープ! MD登場のせいで時代の廃棄物みたいな言われ方をしておきながらも、デジタルじゃないがゆえにこういう時に使えるのだ。やはり丈夫なのだぁ。
ま、これはカセットという方式を捨て切っていない旧式な方、いや言い換えれば、古きをたずね新らしきを知る方にしか使えない方法ですけど。でも一番手っ取り早いかもよ。ラジカセくんは1,000円とかで買えるものもあるし。大学生なりたての頃は、料理する時に使っていたその1,000円ラジカセくんをユニット・バスの便器の蓋の上に置いてましたね。だからユニットって好き。
[その2:音漏れヘッドフォン]
「えー? そんなラジカセもういっこなんか用意できっかよぉ」
とか言ってペッペッと路上にツバを吐いてしまう人にはこの方法。僕がひとり暮らしを続けていくにあたって1,000円ラジカセくんを手放した後の方法です。
僕はある友人に、ヘッドフォンとその延長コードをプレゼントされていた。当時の部屋はロフト付きだったので、ロフトで作業なり読書なりをしている時には、とても重宝したものだ。んで、そのロフト付きの部屋から引っ越した後には、そいつは部屋の中を縦横無尽に駆け巡るヘッドフォンとして現在でも活躍中である。何といっても、ヘッドフォンの延長コードがありがたい。
しかしこれはそんなに高級なものでもないらしく(すまん友人)、結構音漏れがするのです。ひとりでいると気にならないが、少なくともトピック4で書いたように、他の人には気になるぐらい音が漏れている。
これを有効利用できないか?
そんなケッチィ発想から、この方式は生まれたのです。
僕が現在愛用しているMDラジカセくんは、埃よけやスペース確保のため、本棚の中腹にセットされているという妙な置かれ方をしている。だもんで、そいつを浴室周辺まで持っていくなど面倒臭い。そのうえ、1,000円ラジカセくんではないので、そんなことをしたらレンズがイカれてしまうのだ。しかし幸いなことに、ヘッドフォンの延長コードがある。そこで、ヘッドフォンとヘッドフォンの延長コードを差し込んで、音量を最大に上げて浴室まで音を運ぶのだ。ここで音漏れまっさかりな具合を逆に有効利用してしまうという貧乏臭い、しかし実に有効な再利用(チト違うな)である。
これだと音漏れを利用するので、音量を最大にしても、確かにそんなに音は大きく出ない。しかし、ぜーんぜん聴こえるぐらいなんで現在ではこの手法がメインである。何より、1,000円ラジカセくんのように、別媒体を用意せずに済むものだから、CDだろうがMDだろうが聴けてしまうのである。
と、僕が主に用いる方法をふたつ紹介しましたが、他にも方法は幾らでも思い付くでしょう。ポータブルCDプレイヤー(もしくはCDラジカセ)をビニール袋に入れて、安いスピーカーに繋げて使うだとか、そのスピーカーだけをヘッドフォンの延長コードを使ってラジカセなりコンポなりから導いてやるとか。
で、そういう自分なりの方法を導き出したら、次にもたげてくるのが「何を聴くか?」だと思うのです。これはもう、僕の「風呂グレ」経験上から独断で判断しちまいますと、以下のふたつにタイプ分けされます。
・躰を洗いながら歌えるノリの良いもの
・ゆっくり湯に漬かっている時聴くと気持ちいいもの
だもんで、これらを自分の入浴時間に合わせたテープなりMDなりを作ってしまうと、すごく有用だと思われます。はい。ちょっとの努力で素晴らしい入浴効果――入浴トリップ――が得られるのです。
そんなにまでして音楽聴きたくない? うん、それでしたら結構ですとも。これはまあ「常に音楽を聴いていたい」という、所謂「音楽ジャンキー」にお勧めするものなのですから。
最後に、当サイト掲示板にて伺ってみたところ答えていただいた皆さんの「フェイヴァリット風呂グレ」を紹介しておきましょう。それぞれ皆さんのコメントを参考に、一度ご賞味あれ。
なお、掲示板での発言順に並べてあります。
KEN:
Yes“THE LADDER”
しょっぱなから楽園気分で気持ちいい。
晴山会長:
Pink Floyd“Echoes(“MEDDLE”収録)”
最後の無限音階でぐぐーっと良く眠れる……って溺れるか?
ジョン@ウェットン信者さん:
Qango“LIVE IN THE HOOD”
音質がオフロっぽいんで(笑)
その前はラクダのタバコのパッケージに似てるうにょうにょジャケのやつ(キャメル『ミラージュ(蜃気楼)』)でした。
from USCさん:
Genesis“After The Ordeal(“SELLING ENGLAND BY THE POUND”収録)”
この曲、インストだけど大好きです。Hackettが後半引っ張るとこなんか。
ordealには試練、苦しい経験と言う意味があります。家に着いてほっとして風呂に入る時にはぴったりではありませんか。
Giant Hogweedの逆襲さん:
Edgar Froese“EPSILON IN MALAYSIAN PALE”
(エドガー・フローゼでも)Aquaじゃそのまんまか……。
真性お風呂プログレはこの「B面(2曲目“Maroubra
Bay”)」
タイトルは地名で、オリンピックで有名になりましたがシドニーの近くの海岸です。リゾートミュージックというか……。
草さん:
とくになし
風呂プロ!僕はきけないっすねはやいから(笑)。パンクならちょうど良いかも(オイオイ)。
あとむは〜とまざ〜さん:
JethroTull“THICK AS A BRICK”
ぐわーすげー長風呂だ。いったいな〜にやってんだか(自主規制)。
それ以外だと静かな曲がいいですね。クラフトワークの「放射能」なんかもだいぶ眠くなります。でもやったことはありません。
龍平さん:
Can“FUTURE DAYS”
自分が風呂に溶けていくようなあの感じがけっこうたまらない……。