爪跡
| 君は面倒そうに爪を剥がしてプルトップを開けようとする そのつけ爪を僕は取り上げて舐めてしまうかも知れない そのまま君を抱いて眠りたいけどできないままでいるだろう なぜなら君は僕の何者でもない赤の他人なのだから 笑いたければ笑え 所詮フェティシスト 殺したければ殺せ 所詮ナルシシスト 君のつけ爪にも溜まったゴミを僕は舌ですくい取る 光に当ててみたり匂いを嗅いでみたりした末に味わってみせる 少しだけ塩辛く汗の味がして僕は倒錯に身をよじるだろう なぜなら君は僕の何者でもない赤の他人なのだから 笑いたければ笑え 所詮妄想家 殺したければ殺せ 所詮自己愛者 君の残した窪みが僕の背中にあるのを知っているかい それは刺青のように刻印されて決して消えることはないだろう 結局のところこれらは妄想でしかなく現実の君は見知らぬ人 なぜなら君は僕の何者でもない赤の他人なのだから 笑いたければ笑え 所詮フェティシスト 殺したければ殺せ 所詮ナルシシスト 仮眠を採ってみたところで気付いたのは君は架空の存在ということ だけど僕の背中には蠍に噛まれたような赤い斑点が浮かんでいる きっと君は消滅してしまっても僕の中で永劫に生き続けることだろう なぜなら君は僕の何者でもない赤の他人なのだから 笑いたければ笑え 所詮妄想家 殺したければ殺せ 所詮自己愛者 |