亡国の士
宵闇に 尽きぬ光も 落ちかかり
家路急ぎて 螢の音聴く
蜩や 何をかさほど 生き急ぐ
夏の終はりの 時雨にも似て
我 往かん
亡国の士なり
我 往かん
亡国の士なれぞかし
枝を手に 桜野道を 駆け抜けて
朽ちた羽衣 纏い走らん
螢雪や 光れど我に 恵みなく
目指した其処は 荒野雪原
我 往かん
亡国の士なり
我 往かん
亡国の士なれぞかし
我が国よ 何処へ向かいて 何処へ消ゆ
遥か昔の 大和わずらい
我 往かん
亡国の士なり
我 往かん
亡国の士なれぞかし