筆者紹介:2

〜音楽遍歴〜


[黎明期]

 まずスタートから。これは恥ずかしいぞー。ほら、よく「最初に買ったCD(レコード)は何?」って質問あるでしょ。僕はそれに胸を張って答えることができません。えーと、あのー……皆さん憶えてますかね? 「FROM A」というバイト雑誌がありまして、そのCMのBGMだった、あのー……♪カーカキンキンカーキンキンってヤツ(河内屋菊水丸『カーキン音頭』)。うひゃー。すっげえ恥ずかしいぞ、それ。
 その後、ロックに目覚めるまでCDはとんと買わず、まず入口は邦楽ロックでしたね。自分でも楽器(下手糞ドラムと超下手糞ギター)を始めながら、主にBOOWYとそれ関係で氷室京介と布袋寅泰、それからZIGGYとBUCK-TICK。これがまた、ZIGGYとBUCK-TICKは今でも聴いております。前者は中期の「日常的若干哲学歌詞路線」がすっげえ好きだったし、後者はよく「美学系」とか言われるけど、実はJAPANの正当な子孫ではないかと僕は目論んでいる。現に、ある時期より後の作品は今でも聴けるし、新作が出たら間違いなく買う。だけど一時期「お化粧系」だったのは否めないので、そういう側面での魅力が後々の恥ずかしい僕を作ってしまうのだな。ああ。


[鋼鉄期]

 邦楽ロックに飽きた頃(というよりその質の低さに辟易し始めた頃)、よくある青少年の破壊衝動とでも言いますか、激しい音を求めるようになります。ハード・ロック/ヘヴィ・メタル期の突入です。しかしこの時期は、振り返ってみると得るものが少なかった。単なる表面的な刺激しか見えていなくて、歌詞なんかあってなきが如し、だった。大したことない歌詞に無理矢理感情移入しようとしたり、ね。でもまあ、プログレにもハード・ロック的側面はあるわけで、ここでそのフォーマットができたのかも知れない。いろいろ聴いたけど、一番ハマっていたのはジャーマン・メタル。中でもハロウィンですね。しっかし、ヴォーカリストが新しくなるとフツーのメタル・バンドになっちゃった気がして、するするとフェイド・アウトしていくのでした。よくあることです。平行してニルヴァーナも聴いてたけど、カートの自殺でグランジが終わったことも何とはなしに感じられ、やはりフェイド・アウトでした。


[耽美期]

 それからごく短期間ですが、音の刺激と表面ばかり見る性質が相俟って、ヴィジュアルにいっちまったんですよ。あー恥ずかし。今思えば、あんなの「中途半端な自己陶酔」じゃないか。デヴィッド・シルヴィアンの10分の1にも満ちていないような。だけどそういうのを聴いている自分もどんどん自己陶酔していき、やがて抜け出せなくなっていたのですな。黒夢とかペニシリンとか、いやー売った売った。ペニシリンのリリース数がデタラメに多かったんで冷めちまったんだな。使った金返せ(←買ったあなたが悪いのよ)。


[模索期]

 そうして気付いてみると、僕には音楽的基盤となる大きな存在がいないことが解ってしまったのです。そりゃそーだよなー。メタル命とかヴィジュアルこそすべて、って人はどうも感情的な話しかできない傾向が強いし。基盤がないからひたすらてっぺんに向かうわけですね。そこで遅まきにして様々な「名盤」を雑多に聴いていきます。ここでようやくビートルズ聴き始めたんだよなあ。もう大学の半ば頃だよそれ。で、そうしているうちに、出会ってしまったのです。

何に?

ピンク・フロイドの『狂気』に!

 思えば同時期に『クリムゾン・キングの宮殿』も買ったのだが、どうしてもイアン・マクドナルドの構築した世界に居座る、ピート・シンフィールドの歌詞とロバート・フリップのギターに見える知性が鼻に付くというか(青かった当時のことね。間もなく大感動盤になります)、衝撃はめちゃくちゃあったけど、好きになれなかった。メンバーの流動激しいから、それまで音楽でなくメンツ自身に感情移入してばっかだった僕には違和感あったし。その点、フロイドなんか実に把握しやすいからね。人から音からイメージから歌詞から常に潜む狂気性から……つまりは肌に合った、ってことなんだろうけど、何となく日本人がフロイド好きってのも解る気がする。フロイドなんか、日本人が大好きな「ミュージシャンの偶像視」がしやすいしね。
 こうして着々と自分の基盤を作りつつ、プログレ進行していくわけです。


[プログレ期]

 それから阿呆みたいにプログレCDを買い漁り、現在に至るわけです。同時に名盤集めとかそこからの分岐とかで、とにかく「時代や一時期の感情に流されない音楽」を好むようになりました。だってメタルとかヴィジュアルに使った金が、ねぇ。
 僕の特徴として「好きになったらとことんまで」というものがあります。それゆえ、オリジナル・アルバムを集めるのはやけに早くて、クリムゾンは3ヶ月、フロイドは2ヶ月、ジョン・ウェットンとビートルズなんて1ヶ月(!)さね。この性質が「プログレ」というジャンルにはぴったりきて、まるで底なし沼のように抜け出せないわけですな。そのうえ当人、抜け出せないのが心地よいときてやがる(苦笑)。そんでもって基本方針が「浅く広くところどころ深く」という困ったものだから、そいつが拍車をかけやがる。あーもう。いいんだけどさ。


 ほんとはもっと細分化してるんだろうけど、まあこれがだいたいの音楽遍歴です。こーいうひねくれた遍歴持ってるからこそ、殆どすべての音楽要素を内包するプログレが大好きなのです。と、無理矢理まとめてみました。

*本文はサイト立ち上げ時に書いたものなので、今はもっと雑食化しています。以下、それを簡単に(↓)*


[雑食期]

 一時期没入していたプログレも、ある程度聴くと傾向がわかってきて新鮮でなくなってきた。そこで「いろんな音楽要素が入ったプログレが楽しめるなら、いろんな音楽を楽しめるということでは?」となり、雑多に何でも聴くようになる。敬遠していたジャズや、劣等感から憧れていたクラシック、売れたためワゴン・セールの有名盤、レンタル落ち、ジャンク……とにかく「雑食」になった。苦手だった黒人音楽も克服(や、その実知識や情報としてはほっとんど知らないんだけど)。基本指針は「クラシックから淡谷のり子まで」です。