ぬこぬこ依存症

〜というより『ねこぱんち』依存症〜

 このサイトでは文面で虚勢を張るのに一生懸命な俺だが、その実、猫が滅茶苦茶好きである。
「ヘビメタと 少女漫画家 猫を飼い」
 という有名な川柳がある。いや有名ではないが。
 つまり、表面的に激情をあらわしている人間こそ内面は弱く脆く、猫というカヨワイ存在に自らを投じて依存するのだ。
 我が家では、俺が3歳の頃から猫を飼い続けているので、もう30年も家に猫がいることになる。一時期は20匹ぐらい同居していたことがあり、全員を数えると100匹を越えているのではないだろうか。
 そのご先祖様からの系図は既に絶え、しかし拾われた猫が今は我が家をあたたかくしている。
 我が家ではペット・ショップでわざわざブランド猫を買うような真似はしない。基本的に、運命で拾った猫を飼う。
 愛玩ではなく家族として、
 それが基本精神である。

 俺はずっと本物を愛でるだけだったが、去年からコンビニで不意に見かけた『ねこぱんち』にハマり、最初の10冊ぐらいは手に入らないもののネット・オークションや注文、毎月の購入によりそれ以外はすべて揃っている。

『キラキラねこぱんち』『おとなのねこぱんち』などのデラックス本はすべて揃っている。今や最初の『キジトラ猫の小梅さん』総集編はレア・アイテムであり、好事家の間ではそこそこの価格が付いている。

 単行本「ねこぱんちコミックス」は猫以外が多い『MF動物病院』以外コンプリートだ。猫特集のスペシャル本は買った。同サイズの『OYATSUねこぱんち』はレア・アイテムになること必至。もう何冊か買っておくべきだったか。

 ご存知だろうか? セブンイレブンでは、『ねこぱんち』におまけが付くことがある。セブン限定なのでいつも他のコンビニや書店で買っている人はこれから要チェックだ。
 左から爪みがき、小梅さんハンカチ。もったいなくて未開封。これもやがてプレミアが付くのだろうか。

 ここで『ねこぱんち』について語ってみよう。
 俺が最初に『ねこぱんち』を見かけたのは、去年の正月だった。正月のため普段より発売日が早まっていて、『こち亀』を買いにきた俺は初めてその存在を知った。発売日が早まっていなければ、『こち亀』を買っていなければ、知ることもなかったかも知れない。本当に偶然であり、運命的だった。
 その際は立ち読みだけだったが、まるっと読んだ「黒猫エース」が忘れられず、数日後にもう一度同じコンビニに行った。すると10冊あったのが残り2冊になっていたので、慌てて購入。悩む間もなかった。
 それから一気にハマり、前述のようにネット・オークションや注文である程度バック・ナンバーを揃え、定期購読するようになった。
 当初は例に漏れず、看板漫画の「キジトラ猫の小梅さん」が一番好きだったので、スペシャル本で小出しにされるのをうずうずしながら読んでいた。しかし歓喜の「ねこぱんちコミックス」刊行。これにより、代表的な漫画は買えなかった最初の頃の号も収録され、読めるようになった。『ねこぱんち』ができる前に『メイファミリア』で連載されていたものも多く、それも一気に読めるのが嬉しい。
 ざっと代表漫画について語ってみよう。
 金看板の「キジトラ猫の小梅さん」は、まさに代表的存在。とにかく小梅さんが愛らしい。ショートは猫だけの話なので猫が会話するが、本編は猫は飽くまで猫であり、人間と会話しないのがいい。猫が人間と話すファンタジーは余り好きになれない。しかし読んでいくうちに小梅さんよりゴンちゃんが可愛く思えるようになった。
「猫絵十兵衛」は嫌いではないが、猫が話す(正確には猫又だが)のがどうもなあ。それに絵が好きになれない。設定は独特なので面白いのだが。
「猫ビタミン」はぼんやりと楽しい。連載中、最もなごめる。なので特にコメントすることもないが、それぐらい自然に読める。
「まねきねこ不動産」は俺より姉のツボだ。『ねこぱんち』は俺に借りて読むだけの姉ですら、単行本は買った。不動産事情がわかるとともに、最もギャグ漫画に徹しているので一番笑える。一話一話も楽しめ、続けて読むと栗田をはじめとするキャラができあがっていくのが面白い。
「肉Q一家」はねこまん新人賞の白眉だ。ギャグなので気軽に読め、人間がまったく出ない動物のみの世界なので安心して没入できる。だが最初の頃はチロは男の子だと思っていた。
「しょぼにゃん」はそれに次ぐ新人王のエースだ。最初は何だこれ程度だったが、余りに情けなくて読むうちに面白くなってしまった。
 新人王でいえば「にゃんぱち」はなかなかの当たり。「ジロジェラ」もそこそこ。しかし「ラブリィ・キャッツ」や「ヘナちょこ」は絵や設定がどうにも。なら「はちくん」の方が素朴で楽しい。
「江の島ワイキキ食堂」はオードリーが人語を解すが、それでも結構好きだ。ラブコメ主体なのでそういう要素の足りない『ねこぱんち』に貢献していると思う。本誌は少女漫画みたいなものなのだから、それがなくちゃいけない。
「黒猫エース」は俺が購読するきっかけとなった印象的な作品。実は絵や設定はそんなに好きではないのだが、いいんじゃないか。
「品川宿猫語り」はいっさい猫が喋らない人情もので、安定感がある。やや地味だがなくてはならない存在。
「中華街的猫模様」もその路線だな。連載は一旦終了してしまったが。その後の外人ものは正直面白くなくてすぐに終わった。
「みぃにゃん小箱」はどうもなあ……姉も好きではない。何より絵がね。ね。
「三匹のおばさん」〜「ふくよ来い」はかなり好きだ。飼い主がカンガルーで、親友がパンダという徹底して人間排除な設定が潔い。最も「あるある感」が強い作品でもある。
「ねこみち」は作者の岩岡ヒサエ氏の漫画を揃えるぐらいになったツボ。ゆるゆるでありながら人情もあり、とてもいい。単行本がもうすぐ出るのでとても楽しみだが、全1巻完結なのが惜しい。長く続けてほしかった。
 三浦浩子はなあ。最初は楽しかったんだけどなあ。ファンタジー主体になるとなあ。実はハーレクイン・コミックも描いている。
 最後はもちろん「おはぎと大福」。エッセイ漫画なので虚飾なく楽しめる。ただただブーが長生きすることを願う。ちなみに『へだら生活』も買ってしまった。
 以上の文は、わかる人だけ読んで楽しんでくれたまえ。

『ねこぱんち』関連のみならず、ぽつぽつ猫本やDVDも買うようになった。
 古本で買ったものの多くは姉にプレゼントしているのだが、余りものやこれは俺が欲しい、というものは温存している。

 貸し出し中なので写真には映っていないが、「にゃらん」のDVDも買ってしまった。ナレーションがソラミミ駄洒落安斎肇じじいなので、『VOW』や「タモリ倶楽部」などで彼を知っている人にも「あれ? この声聞いたことある」となるだろう。
 もう猫の飼い方など熟知しているのに、写真の可愛さや値段で買ってしまった猫ハウトゥーや、古本屋で格安に買えるもの、そして500円以下で買えるDVD。特にDVDはどれも似たようなもので、「ブランド猫紹介」「猫の飼い方」の繰り返しだが、ついつい買ってしまう。しかしこの齢になって「ニャンちゃん」「こねこ」というタイトルを平気で買うのはどうしたものか。
 これは以前記した「あずまんが」の登場キャラ、「榊さん」がひそかに猫アイテムを揃えているのを見て、「じゃ、じゃあ俺も……」と買うようになったのだ。ひとりでいる時ぐらい自分に正直に生きようよ、と。
 お陰でホームセンターに行くと必ず売り物の猫を見る。ブランド猫が嫌いなわけではなく好きには違いないのだが、放っておくと死んでしまうのではなし、放っていても飼い主は出てくるし、運命の出会いではないので決して買わないが。
 これから衝動的に買った『ねこタクシー』を読むのが楽しみだ。カンニング竹山主演で連続ドラマになるという。

 俺は「猫馬鹿」であって、「猫オタク」ではない。
 その証拠に、ブランド猫の類はまるで憶えていない。せいぜい見分けが付くのがアメショー、ノルウェイジャン、メインクーン、ペルシャ、スフィンクスぐらいだ。
 つまりは、「猫が好き」なのであって「猫に詳しい」のではない。
 それ即ち、純愛だと思う。
 理屈をこねるのではなく、直感的に好き。猫なら何でも好き。
 だから俺は、由緒ある「愛猫家」ではない。単なる「猫馬鹿」だ。
 それでもスフィンクスだけはどうしても可愛いと思えないのだが。

 俺にとっていいものはいい。
 だから『ねこぱんち』はいい。
 それだけのことだ。