ツーリング:2009/03/07@関宿城

〜最も近場の観光スポット〜

 それまでウッチーと一緒に隣り町のバイク・ショップには行っていたが、いわゆる「ツーリング」はしたことがなかった。
 どこかの土地に行き、その風土と触れ合うために走るのがツーリングである。間違ってるかな? まぁそんなもんでしょ。
 で、最初は現住所からほど近い観光スポットを狙い、「関宿城」を目指すことになった。後日さらに遠くの観光スポットを目指し、と着々と行動範囲を広げていこうという魂胆だ。つまりは慣らしのためにまずは関宿城に行ってみることにしたのだ。
 シャルロットを買ったバイク屋でウッチーと合流し、一服し、コーヒーを飲んだりオーナーのお孫さんと話したりしながら「じゃあ、行くか」という段になる。
「風が強いから気を付けてね」
 とバイク屋のオーナーは言ってくれた。確かに、風は強い。前日までの連続の雨が嘘のように天気はよくなったのだが、車体が軽い原付は吹き飛ばされそうなぐらい強い風が吹いていた。雨の後の晴れは風が強い、とウッチーは言っていた。本当だろうか。
 しかし、晴天に恵まれているのは「走れ」と言われているようなもの。僕らはそれぞれのバイクにまたがり、エンジンをかけた。
 目的地の関宿城まで、ほぼ県道を一直線。国道も走っている僕には余裕だった。ちなみに国道を走っている姿を1ヶ月もしないうちにオーナーに2度、ウッチーにも1度目撃されている。やっぱ目立つのかなぁ、シャルロットの色。つーか走り過ぎですね、ハイ。納車から3週間で300キロいってますから。週2日休みなのに。
 ウッチーのアプリリアの後ろを一定距離で着いていく。赤の信号で停車したら、脇に並んで短い談笑をしたりする。気分がいい。誰かと一緒に走るって、楽しい。一体感というか、たやすく共感を得られる。まるでお気に入りの作家について笑いながら談義しているような気分だ。
 途中でコンビニに寄り、休憩する。

「このぐらいの速さで大丈夫?」
 ウッチーは初心者同然の僕にそう訊いてくる。全然大丈夫、と僕は明るく答える。もうフル・スロットルにもなっているのだ。大丈夫だとも。そこで買って喫った煙草がやけにうまかった。
 しかしその後は思ったより風が強く、思うように飛ばせなかった(皆さん、法定速度で走りましょうね)。だが順調に進み、県道の突き当たりを右折する。そこから道なりに行くと、行き先に城が見えてきた。ウッチーがあれあれ、と言わんばかりに走りながら左手で城を指差す。僕は大きく頷いてある種の感動に浸っていた。自力で目的地に着けるってすげぇことだなぁ、と。車の助手席に座らせてもらって当然のように着くのとはまったく違うのだなぁ、と。

 駐輪場が見当たらないので駐車場に横並びで停車し、徘徊する。まずは喫煙所にて一服。実にうまい。何つーか、既に達成感のようなものを感じてしまう。下世話な喩えだが良いむにゃむにゃをした後の一服のようだ。
 初めて関宿城を訪れた僕は、ウッチーにガイドされるまま歩いて「なかなか立派な城でにゃあの」となぜか名古屋弁で頷いた。石庭や茶室、広場まである。それも仰々しく構えた大阪城とか安土城みたいなんじゃなく、「庶民の城」という感じ。何だか自分に、ビーノという原付に相応なスポットだと思った。
 せっかくだから、と城内の有料資料館にも入ることに。

 城のジオラマがあって江戸川と利根川に挟まれた水に弱い、しかし強くなければならなかった城の構造がよく解る。

「へぇ、ちゃんと城下町になってたんだ」
 とウッチーが言う。なるほど、スケールこそ違うが、江戸城のようにイッチョマエに城下町があって栄えていたようだ。しかし我々が訪れた城は復元されたものであって、本当の城はもうちょっと違う場所にあったらしい。で、明治に取り壊しが決まって今は城跡があるのだとか。ううむ、そっちも見てみたいぞ。タブン何にもないんだろうけど。
 1階はジオラマと概要、2階は銃とか刀とか鎧とかのアイテムが展示され、3階は何もなし。


 で、4階はいよいよ天守閣です。
 わー!……何もない(笑)。
 景色こそいいが、現代では近所の田舎風景が広がるだけで見るべきものがこれといってない。なので、写真も撮影しなかった。有料の展望カメラがあったが、何も見えねぇだろう、ということで見なかった。ノンキに新聞を読んでいるオッサンがいて、ホンマにここが天守閣なん? という気分になってしまった。
 出口に差し掛かって、不意に「その時、歴史が動いた」のビデオが再生できる機械があって、なぜか平将門の生涯をふたりで見てしまった。つうかなして関宿城に将門のビデオがあるんよ、と問うたら、ウッチーは「下総の国だからだぜ」と答えた。ううむ。そういうもんなのか。

 次は筑波山だ! 天気がいいからここからも見えるぜ! ちなみに富士山も見えるぜ!
 で、その後ウッチーの実家にゆるゆると帰り、アプリリアをメンテナンスして交換したいパーツを持って車で隣り町のバイク・ショップをハシゴすることに。ウッチーがバイクを分解できるのがすげぇと思った。僕のシャルロットは単純構造だから分解するようなものじゃないし、できたとしても、素人過ぎて怖くてできない。やっぱ入れ込んでる人は違うわぁ。

 そうして余韻に浸っているうちに、急速に次の休みに筑波山に行くことが決定!
 今度はなかなかの遠出ですよ! ピクニック気分で荷物を詰めて愛車を磨いておきなさい、と言われた。よーし、ガンガン走ろうぜ、シャルロット! 燃え尽きるまで!

……と思ったら、諸事情により延期となりました。