抗鬱日誌
〜効果があった!?〜
抗鬱剤は、薬が効いているのかどうかの実感がありません。風邪薬などとは違うのです。
大概の患者は「気が付いたら治っていた」と言います。但し、薬を辛抱強く服み続けていれば、です。効果が見られないから薬なんてやめちゃえ、という人は、ずっと治らないままでしょう。
僕もしばらくのうちは、「本当に効いているのか?」と思っていました。鼻水が止まったとか、咳が出なくなったとか、そうした劇的な変化がないから気付かないものなのです。
ある日の休日。
僕は、昼間からアルコールを摂取して(本当は抗鬱剤と関与するのでよろしくないのですが……)、ぐうたらとPCをいじっていました。しかしふと、忘れていた感覚がよみがえったのです――「創作意欲」が。意欲はそのまま、原稿用紙20枚強の小説として実現されました。
やった!
僕は快哉をあげました。今まで、一年以上書けずに、書こうとしても頓挫していた僕のライフ・ワーク「小説」が書けたのです。出来はどうあれ、最後まで書き通せたことに意義がありました。
気分のよくなった僕は、その日、何の気なしに食パンを買ってみます。前までの朝食は食パンで、鬱病に罹ってからは「食べる」意味を見失っていたので朝食はカップスープ1杯程度になっていたのです。
翌朝、そのパンを食べることができました。
ようやく、「食べる」ということが自然に行えるようになったのです。数ヶ月振りのパンは、涙が出そうなぐらいおいしく食べられました。
数日後には、100作ぐらい溜め、半年近く更新していない「所有音源リスト」を更新することができました。
このように、僕の内部には薬は大きな効き目を見せてくれたのです。
――内部には。
それでも、「外部には」まだまだでした。携帯電話を嫌う僕は、電車内での使用や歩き携帯、そういった「携帯電話の乱用」を見ると嫌な気分になり、酒に走ります。きっと、アルコールが自分の逃げる先になっているのでしょう。
人を見ると「携帯馬鹿じゃないか?」と疑い、仲の良い人でも携帯を乱用しているのを見ると「この人は信頼できない」と決め込んでしまう――「自分では解決不可能な悩みごと」を「自分の悩みごと」として飼ってしまっているので、いつまで経っても改善が見られません。
今後どうなるのか、僕自身にも、これは解らないことです。