携帯電話との果てしなき戦い:01
〜ぶつかって殴られた〜
2003年05月01日(木)の出勤時のこと。
相変わらずの「歩き携帯」の中年がいたので俺は「よけてあげる」ような馬鹿げた、相手を増長させるような真似はせず、寧ろ自分から立ちふさがるようにぶつかっていった。彼の中にある「よけてくれるだろう」という「甘え」をブッ殺したいからだ。
すれ違いざま、俺はすでに何度も呟いている言葉を残した。
「前見て歩けねえのか」
その数秒後、首に鈍い(しかし軽い)痛みを覚える。
振り返ると、その中年が「自分のエゴが通らなかった腹いせに」「非常識を常識に鞍替えして」「卑怯にも後ろから」俺の首を打撃してきたらしい。怒りの表情で肩を震わせていた。
「らしい」というのには、彼には自らのエゴを貫くためには、まったく力が不足していたことだ。実際、俺は「ちょっと風にでも吹かれた程度に」しか揺らめかなかった。
「おいおい、常識知らねえのかよ」
俺は笑いたいのを抑えて、そう言い残し、その場を去った。馬鹿に構っていると遅刻する。
学生ばかりじゃない、
無自覚なエゴイストどもは、
どいつもこいつも、大っ嫌いだ。
俺に相手を威圧できる肉体があれば、
こんなに、くよくよしていなかっただろうに。
当時読んでいた、町田康の「夫婦茶碗」の主人公の街を歩く際の苛立ち(或いは狂人振り)は、大袈裟な表現じゃない。実際には、より、ひどいものだ。
朝から、不愉快だった。
他の要因も重なり、その日一日、ずっと不愉快だった。