13.「レンジ調理麺」に思う
〜売れません〜
今回はちょっと、商品について考えてみた。よって「怒り」じゃあないんだが、そこはどうかご容赦を。特に今回の話は「旬のネタ」ですので、ここで書いておかないとそのうち消えてなくなっちゃうかも知んないのでね。
最近CMなんかでも見かける「レンジ調理麺」をご存知でしょうか?(おお「怒り」じゃないから口調がことのほか丁寧だ)
こいつは、フタを開けてお湯を注ぐのではなく、水を注いで、電子レンジで温めるとできあがるというシロモノなのです。それによって、従来の麺がお湯で麺を溶かしてフニャフニャさせることに対して、こいつはシャッキリした歯ごたえがあるということなのだが……?
「そうかぁ?」
これが僕の感想でしたね。
どうにも、この商品の良さが解らない。実はお湯を入れて3〜5分待ってるだけでも従来のように作れるし、味だって大差ない。そもそも東京の水はカルキ臭いのだ。沸騰させるとカルキはだいたい飛ぶが、レンジではグッツグツに沸騰するまで温めるわけじゃないので、なかなか臭う。
つまり、同時に「おいしい水」を買ってこないといけないんだな。水の汚れた都市に住んでると。きっとメーカーやコンビニ側はそういうことまで考えたのだろうけど、無駄だぞ。幾ら味を追求したところで、庶民は味よりも根本的に値段を重視してインスタント麺を買う人の方がダントツに多いのだから。本気で味を重視するならラーメン屋にでも行くさ。「安くて美味い」を追求しているのが、最近のインスタント麺の傾向であって、さらには「調理が簡単」という大前提もあるのを忘れちゃいけない。ラーメンそれだけでは作れないとなると、その大前提さえも崩すうえに「安い」もなくなっちゃうのだから、手間のかかる割には儲けの少ない仕事を押し付けられているようなものなのです。
しかもそんな「味」に関することじゃあなくて、コイツの最大の弱点にして欠陥とも言える点が、ひとつある。
「コンビニでは作れない」
ということだ。
それをスーパーで買うなら、いいだろう。もともと自分チで作る予定で買うのだから。しかしコンビニでメシを買う人々には、それは決定的な「購入しない」ためのポイントになってしまうわけです。だってコンビニっていったら電子レンジもあるじゃないの、とお思いでしょうけど、コンビニにある業務用の電子レンジっていうのは、中に置かれた商品のサイズや温度を把握して温め時間を計測するというものなので「○分あたためればOK!」というというモノではないのだ。だから同じ弁当でもやけに時間がかかる時も、早い時もあるのだ。
そのため「レンジ調理麺」にはどこかしか、こう書いてある。
「家庭用レンジで調理してください」
つまり、コンビニにある「業務用レンジ」じゃダメよ、ってことなのだ。
まあ、できあがりがマチマチでいいのなら作れないこともないんだけど、やはりこういうモノを買う人ってのは味にこだわる(インスタントなのに……)人が多いわけで、その原則を破ったら味も何もオジャンになってしまうのだな。開発者の心意気までも。
だからコンビニでは作れない。そうなると、当然のように売り上げは奮わない……なぜなら、コンビニで食料を食べる人の多くには「すぐに食べる」という前提があるのです。
だからこそ電子レンジであたためていくのだし、お湯を注いでいくわけだ。割り箸などの食器だって付いてくるし、実際コンビニの前に屯して食べる邪魔な学生も多いわけだ。そこへきて「コンビニでは作れません」となると、その「すぐに食べる」という前提と矛盾が生じるのです。
だもんで「レンジ調理麺」は、ほーんとに売れてません。とあるカップ麺は当然のこと、それにあやかって店側が開発したものさえも。本部の人が「これは新商品ですから大々的に宣伝を!」とか言ってたのですが、その時に入荷した6個のうち、売れたのは1個だけ。あとはすべて廃棄となってしまいました。
本部って、馬鹿だな。
コンビニで作れないものをコンビニに置いて、売れるわけないじゃないか。
当然の如くその商品はあっという間に「死に筋商品」となり、気が付きゃ経営重視のウチの店からは消えてしまいました。当然ですね。
だから「レンジ調理麺」は大手メーカーが開発したカップ麺ならまだしも、コンビニ側で開発したものであれば今のうちだと思うぞ。食っとけ。
大差はないと思うけんども。