1.「買ってやる」客と「売ってやる」店員

〜本当はイーヴンだ!〜

 僕は、基本的に客が嫌いだ。
 なぜなら奴ら、自分が客であることをとかく主張しているからだ。
 態度が横柄な奴には、こっちだってイヤな気分になるでしょう? なのに、店員だとそこでイヤな顔しちゃいけないのよ。他の客や店員に迷惑かけるような客でも、怒っちゃいけないのよ。そういうことすると、必ずイヤな客は「こっちは買ってやってんだぞ」と言う。おいおいちょっと待ってくれよ。確かに店に利潤をもたらして、そんでもってしがない貧乏バイトの皆さんを食わせてくれてるのはあんたらの金かも知れないよ。でもね、こっちは「売ってやって」んだよ? こっちだって、金と引き替えにあんたらを食わせてやってるし、便利な生活を与えてやってるんだよ? それってイーヴンになるべきなんじゃないの?
 ところが、である。日本には厄介な思想がはびこってるんだよなー。あの高度成長期(その頃僕生まれてなかったけどね)に三波春夫が歌った「お客様は神様です」ってヤツだ。「買ってくださってありがとうございますこれで私達も食いつないでいけます」ってことなんだろうけど、あーイヤだイヤだ。だったらパナソニックのCMの「電気屋さんありがとう」みたいに「私たちの生活を支えてくださってありがとうございますこれはほんの気持ちです」って金を差し出すぐらいの謙虚な姿勢が欲しいね、客にも。
 うーん、だから結局は「持ちつ持たれつ」なんじゃないかな。夫婦の関係にも似てるね、なんてことをほのめかして終わります。うふふ。