ジョン・ウェットン関連:オリジナル邦題

 ウェットンに関するものの邦題は、やはりクリムゾン時代のものが一時期絶滅していたことが印象に強く残るが、実はU.K.のファーストは完全に絶滅状態であるのだ。
 そこでここでは、それを足がかりとして、キング・クリムゾン以外のジョン・ウェットン関連のものを取り扱っていく。なぜ「U.K.」とせず「ジョン・ウェットン関連」としたかというと、僕は、エイジアの邦題もやがては失くなってしまうのではないかという危惧を抱いているからだ(「孤独なサヴァイヴァー」よりも「ソール・サヴァイヴァー」として憶えてるでしょ?)。よって、そのような自体が今後訪れた際には、ここに追加していく次第である。

U.K./『憂国の四士(U.K.)』
In The Dead Of The Night 闇の住人
1曲目。闇にうごめく「闇の住人」、それは歌詞にて綴られている「彼本人」であり、また、当時の音楽シーンを嘆いていたU.K.という「憂国の四士」でもあるのだ。
By The Light Of The Day 光の住人
メドレーになっている2曲目。その原題からして対になっているので、邦題も無論その通りの処置である。
Presto Vivace And Reprise 光と闇
さらにメドレーになっており「闇の住人」と「光の住人」を混合させた3曲目。となると無論、タイトルもこれしかない。センスどうこう以前に、ごくごく解りやすいではないか? 少なくとも「プレスト・ヴィヴァーチェ・アンド・リプライズ」とカタカナにされるよりは。
Thirty Years 若かりし頃
4曲目。儚げなイントロにはこの邦題が良く似合う。歌詞と照らし合わせてみると、ここでの「サーティ・イヤーズ」とは、彼が過ごしてきた「暗礁の上の30年」を表すのであり、過去を振り返る姿勢から見るに、別段邪魔でもない。
Time To Kill 時空の中に
6曲目(5曲目の「アラスカ」はそのままなので省略)。これは恐らく、名付け親が歌詞からイメージを膨らませ過ぎてしまった好例となるだろう。「殺されてしまうような気分になる時間」、それを含む「時空の中に」彼は存在しているのだ。そう考えると「若かりし頃」と呼応しているとも言える。
Nevermore ソーホーの夜
7曲目。これはよくあるパターンで、原曲にインパクトがない場合、もっと的確であり、メイン・テーマたりうると思われる部分を代用する。それは勝手な行いかも知れないが、そのお陰でこの曲のメイン・テーマ――というよりは詩の中の人物が帰結すべき場所――が明確となる。「もう二度と」と直訳するより数段マシである。
Mental Medication 瞑想療法
アルバムラストを飾る8曲目。これはある意味、お笑い沙汰だ。歌詞は瞑想によって療法を行うべきだ、と僅かながら訴えている。かつてはそれに即した邦題が冠されていたが、それを取り除くということは、歌詞の意味を尊重する姿勢など必要ない、というマーケット重視のスタンスが見え隠れするのだ。