全曲解説:ZERO + NOiSE

〜アンコールDVD〜

 限定の『おもひで2』が買えなかったファンのために制作されたDVDシングル。2曲のビデオ・クリップは『おもひで2』に収録されているものと同じだが、コアなファンを逃すまいとおまけ映像が付けられている。天野は虚像を打破したがっていた筈なのに、こうして自ら過去に縋っているのはどうかと思うのだが……ファン・サーヴィスという名目の営利目的の作品に思えてしまう。ともあれ、手軽にビデオ・クリップが見られることにはなる。音倉商店での通販のみでの販売。


ZERO
 シングルでは唯一のアルバム・ヴァージョンでのビデオ・クリップ。「ゼロ=無」を意識した白いスタジオのセッティングの様子から始まり、メンバーが加わっていき、スタジオ・ライヴ的に収録されている。天野がマイクを抱えて迫ってきたり、ギターを掻き鳴らしたり、各演奏者が全面に配置されたりと、シンプルながら見応えのある映像。覗き込むような表情を見せたり、ワイルドに絶唱する天野がセクシー。スタジオのセッティングやメイクの模様も挟まれており、「ありのまま」を表現したかったように感じられる。最後に天野が何かをゆっくりと喋って意味深に終わる……これは、全ビデオ・クリップの監督を続けてきたムラカミタツヤがフリーになったことを記念して、「(山口)百恵ちゃんの『美・サイレント』ばりに」、“Tatsuya Murakami, do your best”と喋っているのだという。

NOISE
 シングル以外のナンバーでは唯一のビデオ・クリップ。9nineの佐武宇綺が出演している。佐武は「NOISE=騒音」というテーマに相応しく、ヘッドフォンをしながら街を歩く。街の模様が映されるモノクロやセピアの映像の中、天野は屋上で淡々と歌う。モノクロとセピアを基調としているところが、過去を懐かしみ、活動の終焉を意味しているようで印象的だ。最後は佐武がヘッドフォンを外し、「騒音(天野の活動)が終わった」ことを表している。残念ながらCDと同音源なので、シンセ・ソロが入った完全版はゲームのエンディングやインターネットの動画サイトで味わうしかない。

NOISE メイキング
「NOISE」のインストゥルメンタル・ヴァージョンをバックに、佐武と天野の喋りをフィーチュアした2分41秒のおまけ映像。「月子さん、お疲れ様でした!」と天野に花束が渡される。天野は「(全ビデオ・クリップを)ムラカミタツヤ集として一回全部、一から見直すのも楽しいかな」と提案する。最後の最後の割に淡々とした感じで、それも天野らしいか、とも思える。