ドキュメント『自虐の虫』

〜2ちゃんねる天野月子スレッドの真実〜

(このページの直リンクはお断りします。認証を経てからお読みください……でもコピペされてるんだろうなぁ。
 また、原則的に本文の書き直しはしません。一時の劣情とお思いください)

天野月子を論じているサイトだから、話題の一環として管理人自身をこきおろしてもいいと思っている連中がいる。
これはつまらないと思った本の作者ではなく、それを買った個人書店を『あの店使えねぇな』と言うような暴論だ。

 私は、かねてより天野月子という女性シンガーに心酔していた。
 彼女がデビューして間もなく、音楽の話題がメインのウェブ・サイトを運営していた私は、彼女に関するページを作成、更新を重ねることになり、やがてそのページが目玉となるほど話題を呼んだ。
 高がミュージシャンのページが話題を呼んだのは、全楽曲の解説や論文など、天野を「研究」するスタンスであったためだ。いわゆる「ファン・サイト」ではない。寧ろ「研究ページ」というスタンスだからこそ、天野に関する詳しいことごとを記した私のページは反響を呼んだ。当時は音楽系出版社に勤務していたので関係者席のチケットがもらえることもあり、そういう際には終演後にバック・ステージで天野本人と会うこともできた。バック・バンドのメンバーにも「ホームページ読んでるよ」と言われ、面識ができ、恐らく天野本人も読んでいたと思われる。
 とはいえ、誰しもに迎え入れられたわけではない。
 中には、憎悪に近い念をもって私のページを閲覧する者も多くいた。それは多くが評判のよろしくない匿名掲示板「2ちゃんねる」の住人によるものだった。
 彼らは私が何か論述すると、2ちゃんねるの掲示板内で否定を繰り返した。批判ではない、否定だ。私の文章を鑑みて批判するのではなく、自分にとって不愉快な発言だからそれを発している私自身の人格を否定する。
 私が、なあなあを求めるファンでは口にできない、「音楽性の衰退」や「天野に無理を求めるファンの批判」を書くと、それは本格的になった。私は多くの天野ファンにページを見てもらえるようになったが、2ちゃんねるの住民が私を貶すのはそれ以上だった。
 明らかに2ちゃんねるの住人であろう無記名の罵詈雑言メールも何度も届いた。私はメールで名も名乗らない失礼な者には返信しないので、思想や私以外にも価値あると思われる情報を記す日記ページ(便宜上こう呼ぶが、私はそのページは日記だと認めたくない)に警告や批判めいたことを述べたりした。するとそれを読んだ送信者はまた酷い内容のメールを送ってくる。余りにそれが続くので、馬鹿馬鹿しくなり、受信拒否設定をした。
 やがて天野は歌手活動に幕を下ろし、別の道を歩むようになった。
 一部では、私が天野の音楽性を批判したためとも言われた。

 ここで、「2ちゃんねる天野月子スレッド」の私に関する反応をざっと洗っておく。
 ごく初期は、天野の情報も限られていたので、私のページは寧ろ好感的に迎えられた。無論無断のコピペだが、アドレスを貼って「ここはテンプレにしてもいいんじゃない?」と言われるほどだった。
 それから、2ちゃんのみならず、多くのファンに「無言の説得力」として、密かに読まれていた。
 状況が変わったのは、天野が「ゴネンジャー」のシングル群を発表した頃だ。
 2ちゃんねるには、自分の欲から「アルバムに収録してほしい」という意見が頻発した。中には「シングル曲はアルバムに収録されて当然」という、驕りきわまりない音楽的見識の低い輩もいた。実際、個人ページを見てもそういう意見は多かった。
 そこで私は、それらのシングルが絶対にアルバムには収録されない、と断言する論を書いた。
 すると2ちゃんねるの連中は、何だかんだ言って私のページを気にはしているものだ。最初はおずおずと、しかし狭い井戸の中で(自演を繰り返して)意見が広まってからは、大々的に私を批判し始めた。まだこの頃は、「批判」の範疇にギリギリ入る程度だった。中にはきちんと作家性を鑑みて、アルバムに入らなくても仕方がない、という意見もあったのだから。しかし私は、そこに書き込んでもいないのに、そういう人間は論文の理解度が足りないという旨の記述をもって、私は「理解度厨」と呼ばれるようになった。それから常に、誰かが理にかなったことを発言すると、「理解度厨乙」「KEN乙」と茶化されて流されるだけだった。私はそこにいっさい書いてもいないのに、何でも都合の悪い意見は私のせいにする風潮になっていた。
 それでも、天野が実際的にそれらをアルバム収録しなかったのは、事実である。
 だが2ちゃんねるの連中は、認めたくないのか、その事実から目を背けた。都合の悪いことは無視するのが彼らの常道である。投稿掲示板だから、発言にいっさいの責任を持たなくていいからだ。寧ろ、責任を持たなくてはいけなければ、発言できなかっただろう。私は匿名ではなく、自分のサイトで論述しているのに、無名の無責任の輩にことごとく誹謗中傷されるようになった。
 音楽を語るのならば、己が欲望で感情的に語るのではなく、現実的に、音楽的に、作品的に語らなければいけない。
 しかし天野が「HEAVEN'S GATE」を発表し、それに違和感を覚えた私がその頃の楽曲群を鑑みて、天野の音楽性が衰退していると論述すると、彼らは本格的に牙を剥いた。
 それはそれは感情的に、妄信的に。
 天野のすることはすべて正しい、それに意義を唱えるおまえは狂っている、というのがおおよその論旨であった。論旨も何も、感情論なのだからおよそ「論」ではない。しかも彼らは、私が論文をアップするまでは「何だこれ?」「天野らしくない」「つまんね」などとさんざん文句を言っていたのに、それを代弁する私には反駁した。都合のいいことだ。
 これは天皇は否定しないが、それに意見する小林よしのりは気に食わない、というのと同じ構造だ。無論、私は小林氏と同格になれるような器ではないが、この喩えが実にしっくりくる。と言っても、氏の『ゴーマニズム宣言』を読んでいないか、読んでも意図的に斜め読みしているようなサヨクにはわからない喩えかも知れない。
 と、この文章も彼らには、私が自分を尊大に思っている文章として読まれるのだろう。もとよりそういう連中だ。喩え話も現実としてとらえてしまうほど、理解力のない人々だ。
 話を続けよう。
 その後天野は自ら終焉を招き、歌手活動に幕を下ろした。これを私は当然と思ったが、2ちゃんねるの連中はやたら感情的に嘆いていた。それで天野に関するスレッドは低迷し、やがて「邦楽女性ソロ」から「伝説のミュージシャン(インディーズ)」の掲示板へと場を移した。そこはIDが表示されないので、ますます勝手な意見が飛び出すことうけあいだった。
 そういった間に、私は、天野がQoonieと組んだQT名義でのスタジオ未発表曲「砂」のライヴ隠し録り音源を2ちゃんねるのスレッドで「拾ってしまった」。単純に楽曲をコンプリートしたい欲望もあり、録音者が法的に罰されるべきものであり、本来なら通報して削除してもらわねばならないと思いながらも、それを保存してしまった。なぜなら、2ちゃんねるは匿名掲示板なので、IDが明記されていても管理人レヴェルでないとレス削除や書き込み拒否はできないからだ。
 通報する正義感よりも、音源が欲しい欲望が勝ってしまった。
 これが後に、私に誤解を招き首を締める要因となる。

 その後、2ちゃんねるは落ち着いた。というよりも、天野が歌手活動をやめたので話題がなくなり、思い出話や無駄な夢想を述べる場となった。
 天野から離れた私は、さまざまなところを閲覧し、書き込むようになった。それは私が長年患ってきた精神の病から解放された心境もあった。
 大体は音楽の話題が中心の掲示板やブログであり、仕事に疲れた私は一時の特効薬を求めて馴染みのそれらに書き込んだ。
 そのうちに、ある漫画雑誌で連載している女性漫画家の「S氏」のブログを発見した。
 S氏のブログには、私は即座に常連となった。もとより彼女の作品を愛読している身であり、音楽に限らず、気軽に雑談ができると思い、それこそ気軽にコメントしていた。
 それが気軽過ぎた。
 ある日のブログに「占いを信じ過ぎる人」が紹介されていたので、私は「新興宗教なんかも同じだ」という旨のコメントをした。私は精神状態が危なかった頃にある新興宗教に集団説伏され、そういった人間の弱みに付け込む心理をよしとしなかったからだ。
 しかし世間的には、宗教の話はタブーである。それは池田大作をテレビ上で批判できない事実があらわしている。
 S氏は、「私は占いを信じないけど、ノーコメントです」とレスした。それを読んで私は、この喩えはタブーなのだな、と直感し、即座に謝罪コメントを記した。
 その後、S氏が「締め切り直前で時間がない」という記事をアップした。
 それに私は、ああ、何ということだろう。すっかり常連となっていると思い込み、酒の力もあって、「じゃあ、ひとりえっちはやめなさい」という冗句を書いてしまった。しかし当然ながら、これは冗談である。念のため「削除されてしまうかな」という文も添えて。
 実際、削除してもらえれば、S氏との関係もここまでこじれなかっただろう。
 即座にS氏の「ここではエロネタはNGです」という冷静なレスが返ってきた。ああ、私は彼女に冗談を言えるほど親しくはなかったのだな、と自覚し、私は再び謝罪コメントを記した。
 それからしばらく、私は言葉を選んで彼女のブログにコメントを続けた。
 しかし彼女は、馴れ馴れしい私に対して忸怩たる思いを抱えていたのだろう。彼女が「私には文才がない」と記していたので、私は「文章は才能ではなく、人格で書くものですよ」とコメントした。
 すると彼女は、それにまったく関係ないレスを返してきた。
 趣旨は「宗教だろうが何を信じても個人の自由だ。あなたのコメントは私には不愉快だ」というものだった。これも私の被害妄想で酌量しているのだが、少なくとも、コメントに関するレスではなかった。それほどに、私を拒否したい思いが強まってしまったのだろう。
 そこで私は、いっさいを謝罪し、今後はROMに徹する旨を記した。
 実際私は、閲覧するだけで書き込まなかった。
 そのまま終わると思われたのだが、事態は、私の迂闊な叙述により急展開を迎える。

 数日後、S氏の関わった本が出るということで、嬉しくなったのでお祝いの気持だけは記しておきたいと思い、「必ず買います。予約しました」という旨の短文を書き込んだ。
 しかし、私は書き込み拒否(恐らく同一の名前での拒否だろう)に設定されており、書き込めなかった。
 ブログに書き込み拒否設定されてしまうのは、それが2度目だった。
 1度目は「天野月」と名を変えた天野のブログで、イラストを描く仕事を中心にしたいと言っている彼女が「でも筆にはこだわらない」と書いていたので、「よい作品にはよい道具を使うことも時には必要です」と記した。
 すると即座に、書き込み拒否になった。
 天野は、私の崇めていた天野は、その実私を嫌悪していたのかも知れない。ズバズバと夢想論を吐く私を、目障りで邪魔な存在だと思っていたのかも知れない。
 これはショックだった。S氏は作品をちょっと読んでいる程度だったが、天野は私の全身全霊を傾けて情熱を注いだ存在である。
 諸君は最も愛する人に「大嫌い」と言われたことはあるか。
 そういう状態だ。
 私は当時、「きょうのたわごと(仮)」という日記的なページを適宜更新していた。
 これは固い文章や興味のない文章まで読まなくとも、私と交流のある人や、私自身に興味のある人にも向けた、コラムでありエッセイでもあり、各種お知らせや様々なことごとを不定期更新で記した、「ブログじゃないブログ」だった。
 そこに私は、S氏と天野にコメント拒否を食らってしまったことを記した。それは単なる報告ではなく、他愛ない話で馴れ合いに進行するS氏のブログを見て、かねてからブログというものに疑問を抱いていたので「結局、その場限りの当り障りのない馴れ合いの常連コメントが優遇されるのか」と記した。
 しかし同時に、天野のブログにもコメント拒否を浴びていた(のちにシステム上の問題であり、拒否はされていなかったことが判明)と記したことが、2ちゃんねる住民の目に付いた。

 彼らは、いや、あるいは彼は、即座に行動に移した。
 まず私の「きょうのたわごと(仮)」の文面をことごとくコピペし、私のサイトを訪れている人だけではなく、最初から私に対して否定的な立場の2ちゃんねる天野スレッドに貼り付ける。そうして天野に拒否されたという事実を前提として、私を唾棄すべき存在に祭り上げた。
 そして、S氏のブログに、私になりすまして下劣な書き込みを続けた。
 それらは管理人であるS氏しか見ていない(掲載される前に削除)ので、私はどんな書き込みがされたのかはわからない。しかしS氏の後の叙述や2ちゃんねるの記述によれば、「きょうのたわごと(仮)」の文章を意地汚い自己正当として、アドレスを添えて送ったようだ。あまつさえ彼は(「彼」と言ってしまおう。現在、2ちゃんねるでさえ削除依頼を受けている人物に違いない)、各掲示板に同内容の書き込みを貼りまくった。
 結果、私は一夜にして罪人となり、天野スレッドには爆発的に私を否定する書き込みが続いた。
 確かに、私はS氏のブログに軽率なコメントをしていた。しかしその度に謝辞を書き、最後には離れてROMに徹すると宣言した。しかし2ちゃんねる住人は名前を変えたり複数なのか串を刺しているのかIPを変えたりと、執拗にS氏のブログにコメントを続けた。無論それらをS氏は掲載しなかったが、私にとって残念な結果が待っている。
 それらの連投を、S氏はすべて私の所業だと断定したのだ。
 そして「特定個人からの迷惑書き込みが続いている。だから新規書き込みはすべて削除する」旨の文章をブログに貼り付けた。常連投稿人も、まるぎり私の仕業だと思い込み、私をボロクソに貶すコメントが続いた。それまで笑える文章や話を促す文章、他の投稿人にも気遣った文章なども書いてきたのだが、それらはまったく評価されず、すべて塵芥と化した。
 私は、何もしていないのに、罪人になってしまった。
 これらはすべて、2ちゃんねる住人の仕業である。
 私は、パソコンでは書き込み拒否になってしまうので、滅多にインターネットには使わない携帯電話で「それらは2ちゃんねるの住人によるなりすましで、私は何も書き込んでいない」という旨の文章を送信した。しかしそれが、S氏の目に触れることはなかった。彼女は「新規書き込み=即削除」という公式に陥っており、私の文章も読まずに削除してしまった。
 最後の手段と思い、私は彼女の連載する雑誌の編集部に、彼女宛ての手紙を送った。それは酷く自己正当化的な、慌てた、とかく誤解をといてほしいというものになってしまったが、彼女は恐らく、読まずにそれを感情的に棄ててしまうだろう。
 もはやS氏との関係性は、反故されてしまったのだろう。
 それは私の一種無礼なコメントを思っても、仕方がなかった。
 しかし、
 私になりすまし、または私を陥れるために操作した2ちゃんねる住民を、私は許せなかった。

 そこで私は、牽制の意味を兼ねて「きょうのたわごと(仮)」に、これらの事実の叙述と「俺は2ちゃんねる天野スレッドを許さない」という宣言を記しておいた。
 案の定、彼ら(寧ろ「彼」)は、それをコピペして掲載した。そうして2ちゃんねるの私への反感を煽った。それを繰り返した。
 そこで私は、「きょうのたわごと(仮)」を全削除した。
 どうせ彼ら、あるいは彼が、私にとって不都合な文章を選りすぐってコピペするのだし、それ以前に稚拙あるいは感情的、日記的な文章が多い。だから私は、とりあえず彼らの目を逃れるためにそれらを削除した。
 すると彼ら(彼)は、どこまで執拗なのだろう、私が過去に書いた文章や、まったく関係ないながらも抜粋すれば私がさもしい人間のように読める箇所を意図的にコピペし続けた。住民も今まで黙っていたくせに、民主主義の奴隷の如く、2ちゃんねるの情報を絶対として私を「否定」し始めた。
 私は気苦労から1週間に3kg、痩せてしまった。
 バイクで走っている時だけが、何も考えずに済む時間になった。
 ここで私は、とうとう、警察に頼った。
 単なる誹謗中傷ならまだマシだし、何度となく浴びてきたが、私になりすまして私に関する人物に影響を与えるのは、明らかな犯罪である。
 私は警察にだけ公開する特設ページを作成し、大体の事柄を叙述し、2ちゃんねる天野月子スレッドのアドレスを添えてメールを送った。恐らく動いてはくれないだろうと思ったが、明らかな犯罪には対処してほしいと願った。念のため、最寄りの警察署と県警の2ヶ所にメールを送った。
 県警からは、翌日に返事が届いた。僅かながら、期待できる内容だった。
 そんな中、私にさらなる誤解を招く事態が起こる。
 私は当時、パソコン環境が落ち着かず、ハードディスク以外のデータ保存もままならない状態で、CDやDVDにデータを焼くこともできなかった。そのため、重要なデータはプロバイダの契約サーバに仮にアップしていた。飽くまでHDD代わりとして。
 しかしそこに、前述の2ちゃんねるで拾ったQTの「砂」の音源をアップしており、あまつさえ、私自身音源に直接アドレスを入力することに慣れていない(パソコンが古かったので音楽ファイルに直接アクセスすると誤作動が起こる)ため、「ここは見付からないだろう」というページにリンクを設けてしまった。そこは自作音源のページだったのだが、見付けたと連絡してきた人は10年にひとりというページだった。だからこそ、そこなら安心かと思ってリンクを設けていた。
 それを、CDが焼けるようになって、データのバックアップができたのに、削除し忘れていた。
 そこへ2ちゃんねる住民が付け込んだ。
「何だこれ」「こいつ隠し録りしたな」「犯罪だ」
 と、一気に叫び出した。
 これは前述したように、私が録音したものではない。飽くまで、2ちゃんねる天野月子スレッドから拾ったものだ。しかし感情的になり、私を敵対視する彼らには、言い訳は通用しない。即刻音源を削除し、彼らが見ることを前提に、その音源は拾ったものであり自分が録音したものではない、と記した。何より私は、録音媒体を何ら所持していないのだから。寧ろ録音している輩の脇で、意図的に歓声をあげるような人間だったのだから。
 案の定、コピペされた。
 どうせこれで騒いでいるのは2ちゃんねる住民だけだと思い、私は弁解の文を消した。
 すると「あざとい」「計算的」「犯罪者」と、自分達のなりすましや誹謗中傷を棚に上げて、彼らに較べて僅かな私の罪を断罪し始めた。
 断っておくが、違法音源を「公開目的でなく」アップしておくのは、犯罪性は薄い。ましてや自分の録音した音源でなければ。さらには著作権の確立していないCD未収録音源とあっては。これは自己正当化ではなく、度合いの問題である。そうでなければ西新宿は壊滅している。『beatleg』もとっくに廃刊だ。
 しかし私は不安になり、東京で警察官をやっている友人に相談した。
 彼の答えは明確だった。

「それはおまえが公開目的にしたんじゃないことは明らかだし、おまえが録音したっていう証拠はまったくない。その2ちゃんねるの過去ログを辿れば最初に公開した奴、そこから本当に録音した奴がわかる。それにメディアに収録されていない未発表曲よりも著作権の確立している既存映像をアップしているYouTubeなんか、そういうところを突いたら自滅する」

 少し、気楽になった。
 彼は同時に、「一種の有名税だ」と言った。どんなにくだらない否定意見だろうと、有名になってしまえば自然的に発生する。それは小林よしのりが幾ら正当な意見を述べても常に反駁され、喩えば一度立ちションでもしたら自分の敷地内でも徹底的に叩かれる、というように比喩された。
 そこで私は、自覚した。
 2ちゃんねる住民が総出で否定したくなるほど、私は天野の権威的存在(はい、ここ、便宜上そう書いたけど滅茶苦茶突っ込まれるでしょうね)になってしまっているのだと。
 認めたくもなかったが、そういうことらしかった。
 こう書けば、彼らはまた私が驕りたかぶっているものとするだろう。だが、メンバーにもページを見ていると言われ、天野の活動中には検索エンジンでトップに近い位置に表示され、初めて会ったファンに「『月の裏側』というページをやっています」と言えば驚かれて「見てます!」と言われた。ライヴのあった日から数日間はアクセスが驚異的に伸び、何より、2ちゃんねる天野月子スレッドが否定したいためもあって常に追っている。
 それは、私の発言が影響のある証拠ではないだろうか。
 ましてや余り認知度が高くない天野のことだ。軽く検索すれば、私のページが突出しているのは目に見えて明らかだ。他のページは「ファン・サイト」であり、感想や紹介を述べるのみで研究などはしていない。
 わかるかい? 2ちゃんねる住民よ。
 君達は、拒否し続けることで、結局は私を認めていることになるのだよ。
 こう書けば、私が傲慢な奴だという印象が強まるだろう。
 それはイメージだけで判断する浅薄な奴に対しては願ったり叶ったりだし、私と実際に会っていないから言えることだ(または、実際に会って話をするほどの度胸もないだろう)。
 天野の偶像を崇めるように、彼らは私の虚像を否定しているのだ。天野はなかなか実像を見せないことで虚像を通したが、私は「きょうのたわごと(仮)」などで実像に近い「イメージ」も晒していた。それを彼らは、私の実像であると決め込み、会ったことも話したこともメールしたこともないのに否定し続けたのだ。
 天野は表現者なのだから、その作風をあれこれ言われるのは仕方がない。表現に批判はつきものだ。なのに、それを論じている私が天野以上に、徹底的に、人間性まで否定されてしまうのはどういうことだろう? 私は天野に関しては「解説」や「批評」をしているのであって、私自身の「表現」をしているわけではないのに。
 だから、傲慢などではなく、ひとつのわかりやすい比喩として、アンチ小林よしのり的だと言うのだ。
 幾ら正論を唱えても、感情的に気に食わないから、発言のみでなく発言者自信をも「否定」する。
 プライヴェイトまで巻き込んで。

 また警察官の友人は、こうも言う。

「ネット犯罪は、金や人命が絡まないと警察はなかなか動かない。名誉毀損であれば社会的地位が揺らぐぐらいでないと駄目だろう。2ちゃんねるは匿名だし、もともと最初から馬鹿の集まりだと思われているから、警察は本気になりにくい。だが聞いたように県警が無視せず少しでも反応したのなら、動く可能性はないでもない。それに、2ちゃんねるでもIPは抜き出せるので、そこから幾らでもアシはつく。さしあたって証拠を保存しておくことだ」

 そこで私は、スレッド数が1000に達し、停止したスレッドのログを保存した。そしてアップロードし、警察署への陳述ページにリンクを貼り、再び通報した。
「連絡しますので、お待ちください」
 というのが、警察署の対応だった。
 それから私は、警察署からの連絡を待っている。

 しかし、警察は動いてくれないだろう、というのが私の正直な推測だ。
 友人警察官の話や、ネット、それも2ちゃんねるであること、実際的な被害が「なりすまし」によるネット上の人間関係だけであること、などを理由に。だから近々、証拠書類を揃えて警察署に直談判に出向く予定だ。
 それでも警察への陳述を深めるべく、久し振りに新しい天野月子スレッドを見たら、驚いた。
 彼らは、あるいは彼は、私を「たぶん○県の店員だよ」などと書いている。
 そのうえで私が過去に古本屋について記したことなどを示せば、私の仕事先が容易にわかってしまう。そのうえ、訪れたことも私に接したこともない人間が、私を「本のこともまったく知らず、接客態度も最悪」と書いていた。無論、私を陥れたいための根拠なき発言だ。その直後にそれを怪しむ書き込みや流れを修正しようという書き込みが続いたのでことなくおさまったが、こういった嘘を相手を貶めるためであれば平気で吐く根性は、人間的に浅ましいとしか言いようがない。
 おまえがそれをやられたらどうなんだ?
 会社から追放され、再就職もできず、おまえの唯一の行き場であるネット上でも無視されるんだぞ?
 痴漢冤罪を言い放つ自意識過剰の馬鹿女同然だぞ?
 彼らは、自分さえよければいいという最近の若者の発想だ。
 現に過去の書き込みには、「自演すんな」「さっさとサイト閉じろ」「死ね」などの書き込みが乱雑に書き込まれている。
 まず私は、自演などしていない。2ちゃんねるは閲覧するのみで書き込みなどしていない。
 サイトを閉じるというのは、天野ほかの音楽に真摯な訪問者にとっての有意義なページを失うということだ。私のサイトは「天野月子サイト」ではない。
 死ねなどというのは、本当に死に対面したことがない者のウワゴトだ。小学生が気に食わない同級生に吐くレヴェルだ。
 ことごとく、現実を知らない、味わったことのない甘ちゃんの夢想戯言なのだ。

「ムカつくからキレて父親を殺す」
 程度の、匿名をいいことにモラルも世間体も持たない、犯罪意識の集合体、
 これが未だにはびこる「2ちゃんねる」の実態だ。

 彼らは2ちゃんねるに発言力があると勘違いしているようだが、そんなわけはない。所詮、便所の落書きだ。何を言われようと誠実に生きていれば負い目はない。無論、「なりすまし」などで実際的な被害を出さなければね。それが実際的に行われたから私は警察に相談したのだし、このドキュメントを書いている。
 彼らは2ちゃんねるが中心かも知れないが、実世界は、実社会で動いている。2次元の匿名掲示板でまっとうな意見が出るわけはない。
 まさに、
「井の中の蛙 大海を知らず」
 という言葉が相応しい。
 それも「されど空の高さを知る」まで至らず、井戸の底で卑近な仲間と馴れ合うだけ。かといって森見登美彦の『有頂天家族』に出てくる下鴨矢二郎のように厭世観から井戸にこもったのではなく、隔絶されておきながら公に自分の正体を明かさずに暴論を吐けるからそこにいる。
 つまりは、自分に被害が及ばず、好き勝手言える場を安穏と設けたい、
 それが彼らの本質であるのだ。
 まあこのような喩えは、文芸本を読まない輩にはまったく理解できないだろうが。
 私のことを「本のことをまったく知らない」と言っておきながら、そのマイナス数千倍以下も知識・情報もない連中には。
 現に、彼らは私の古本屋エッセイをコピペしているが、実際的な書名や作者名は一度も出さず、コンビニの「お客様」感覚の意見を吐き出している。なぜか? 彼らはラノベ作家や角川の萌え漫画しか知らないからだ。文学や文芸を読み知ってはいても、それを語る(あるいは、いっそ「騙る」)だけの知識・情報・語彙を持たないからだ。
 だから彼らには、公に発表する書評のようなものは書けない。自分中心の価値観しかないのだから、匿名で好き勝手書ける2ちゃんねるで吠えるだけだ。
 無論、サイトを作って表現するような気概はない。人のことを滅茶苦茶に言うくせに、自分が言われると耐えられないから。そんな覚悟は据わっていないから。
 それ以前に、「表現力」を持っていないから。
 以前、私のことを「太宰を気取って厭世的に恰好付けている」と記していた者がいるが、そういう人物は太宰のユーモアを知らないのだろうな。一見馬鹿馬鹿しくも味わい深い戯作なんかは読んだことないのだろうな。結局は「太宰=人間失格」だと思っているのだろうな。
 それで文学を引き合いにするのだから、笑わせる。
 文学は、哲学と同一線上にある。そんなことも気付けずに、ラノベ感覚で「消化」してイメージでとらえて他人を非難するのは、こと恥ずかしい所業である。

 その程度の認識で、死ぬほど本読んでる人間に喧嘩売ってんじゃねえよ。
 結局は、おまえらはイメージでしかものを言えないんだよ。
 本当は何も知らないからな。
 知らなくたって騙れるからな。
 匿名であることをいいことに、何もかもを「イメージ」で操作できるからな。

 ところで私は、ある邦楽バンドの権威的なファン・サイトの管理人と親しい仲だ。
 彼はやはり、2ちゃんねるにより徹底的に根拠なく叩かれ、お陰で精神的にまいってしまい、訪問者も多いのに更新をやめてしまったのだという。現にそのバンドのスレッドを見てみれば、彼が書いていないのは明らかなのに「宣伝乙」「○○乙」「自演乙」という定型句が並び、書き込んでもいない彼を完膚なきまでに「否定」している書き込みが並んでいた。2ちゃんねるの常套手段だ。
 彼と実際的に交流のある私は、彼がそういったことに該当する人物ではないことは容易にわかる。それは2ちゃんねるでしか意見を発していない人にはわからないだろう。
 けれども、感情的に気に食わなければ、なりすましても人格否定してもプライヴェイトに侵害してもいい、それが「2ちゃんねる」だ。
 それを私は、嫌というほど味わった。
 だから警察にも相談した。
「なりすまし」さえされなければ、苦汁を飲んでいただろうけど。

「相手にしないのが一番ですよ」
 と彼は言った。
 それは単なる誹謗中傷であれば、それで済まされただろう。
 だが彼ら(あるいは彼)は、私に「なりすまし」までして、私の地位を奪った。
 だからこそ、この糞みてえな文を書いているのだ。

 2ちゃんごときに、これほど力の入った文章を書くのが馬鹿馬鹿しい。
 だが彼らは、法的に過ちを犯した。
 だからこそ、私は、警察にも訴えているのだ。

 2ちゃんねるでは、ページ下方の「おすすめ2ちゃんねる」というリンク・ページがある。そこは関連掲示板というかそのスレッドを見ている者がアクセスした掲示板が随時更新されて表示されているのだが、天野月子スレッドのその欄には「削除スレッド」が表示されていた。
 2ちゃんねるには書き込まない主義の私には、無論、まったく関係ない(それでも私が削除依頼したとか言われるのだろうけどね)。私以外にも不満を抱き、私を叩く(というより人格否定する)流れを止めたい人が少なくとも存在するのだ。
 リンクを見てみると、「自演」「誹謗中傷」「スレに関係ない書き込み」などというものだった。関連タグには「古本屋」も入っていた。天野の、音楽の掲示板なのに。
 こういう客観的な意見を見られないのは、自分こそが正しいと思い込んで没頭しているからだ。そのうえで人のことを否定(何度でも言うが「批判」ではない)するのだから、笑わせる。

 おまえら、いじめられたことないだろ?
 誰かを徹底的にいじめたこともないだろ?
 教師や親に怒られたこともないだろ?
 本当に悔しくて泣いたこともないだろ?
 自分の限界を味わったことないだろ?
 そういう「心理的な崖っぷち」に立ったことないだろ?
「結局、普通に恵まれている」と認識したことないだろ?
 だから中庸でいることをよしとしてきただろ?
 なのに個性が欲しいと思ってるだろ?

 死ね、

 と思う。
 私が言われた言葉とは違うニュアンスで、「人間として自覚しながら死ね」と。

 人間は、どんなことでも、されないとわからない。
 いいことでも、悪いことでも。
 仏教的な考えでは、行いは心に宿って宿命のもと業にさばかれる。つまり、嘘吐きは地獄の業火に焼かれる。キリスト教は慈悲に恵まれたように見えるが、罪人には仏教以上に容赦ない。
 閻魔様に舌を抜かれて、インヘルノで焼かれるといいさ!
 ヒンドュー教はもっとすごいぞ!
 まあ「歴史ある」宗教に興味のない人にはわからないだろうけどね。
 新興宗教の安っぽい操り文句に踊らされてしまうような浅い人間にはね。
 なんてこと、ろくすっぽ本を読んでいない君達には理解できないだろうけど。
 そのうえで私を「本のことを何も知らない」などと言うのだから、本当に呆れる。

 さあ、これでおしまいだ。
 これから警察さんがどう動くか。

 少なくとも、彼らはこの文章を、あるいは一部を、意図的に私を陥れるのを目的としてコピペするだろう。
 だがそれは、法的に許されないことだ。ちょっとググればわかるが、中傷目的のコピペは禁じられている。幾ら詭弁を弄してもそれは確かなことだ。実際に裁かれた例もある。
 それでもいじるなら、私が警察に陳述する証拠が増えるだけだ。

 どうせ井戸の中でしか吠えられないんだろう?
 天野の権威(便宜上の語彙)である俺を失墜させたいだけなのだろう?
 実社会に自分より下がいないから見下したいだけなんだろう?
 自己満足にために、俺を利用したいのだろう?

 つまりは、
 君達がよく使う言葉で言えば、

「死ね」

 ということさ。

 以上で、夢想家の戯言は終わりぬ。

 どうせ本文も不法なコピペや誹謗中傷がされるだろう。
 それは小林よしのりが「批判ではなく否定」されるようなものだ。
 と書けば、連中は私を奢っていると書くのが目に見える。
 だが、友人の助言にあったように、これはしっくりくる喩えになっている。

 馬鹿か、
 と思いつつも、どうせ当該スレッドは見ないので、もう言うだけ言わせておけ、とこの文をアップする。
 法に触れる発言は証拠が増えるだけだから。

 さあ!
 これをアップした後が楽しみだ!
 どうせ騒ぐのは2ちゃんねる住民だけなのだから、まったく問題ない。
 念のため検索してみたが、私を「否定」しているのは2ちゃん住民のみだ。
 法に触れれば友人なり警察所に相談すればいい。

 君達は、身元がわからず罰されないからと好き勝手言っているのだろうけど、
 実際には、身元なんてたやすく暴けるんだぜ?
 そんな警句をもって、本文は終わりとする。

 以降、
 2ちゃんねる天野月子掲示板には、訪れもしない。
 宣戦布告?
 馬鹿な、あいつらはそんな正当なことには対応できないさ。
 彼らはそれでも私を貶める発言を続けるだろうが、真摯な読者諸君、どちらを信じるかは君次第だ。

 それでは、
 左様ならば。


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