エイジア
『ファンタジア〜ライヴ・イン・トーキョー』
〜新しくも懐かしく〜 (2007/06/27)

オリジナル・エイジア、つまり、ジョン・ウェットンがヴォーカルでエイジアが復活する。
昨年、このニュースが駆け巡った時、驚き、また喜ばなかったファンはいないだろう。それぐらい、ウェットンとエイジアは切り離せない存在だった。ソロでもセルフ・カヴァーを数多く演奏し、ウェットン/ダウンズではリユニオン・エイジアに向けての肩慣らしといったライヴを作品にした。
ウェットン/ダウンズは即ちエイジアである、というようなことを以前書いた記憶があるが、やはりエイジアといえばウェットンのイングリッシュ・ヴォイスと野太いベース、ジェフ・ダウンズの華麗で確実なキーボードさばき、スティーヴ・ハウの闊達で繊細なギター、カール・パーマーの豪放なドラム、と四者が噛み合ったものである。ペイン・エイジアを否定するような発言だが、それだけオリジナル・エイジアには魅力があったのも事実だ。それは売り上げやファン層、それに今回のリユニオンからも推し量れる。
その来日公演があったのも記憶に新しい(私は都合により観られなかった……)が、リユニオン・エイジアのライヴ・アルバムが、それも東京公演の作品だというのだから、日本のファン冥利に尽きることだろう。私も行けなかったライヴを音源で味わう恩恵に授かり、感謝したものだ。
リユニオン・エイジアは多数のオフィシャル・ブートレッグをウェブ通販でリリースしていたため、その演奏プログラムや内容は既に知れたものだが、それらより本作の演奏は数段うまくいっており(オフィシャル・ブートレッグではギターのトチりなどが目立った)、無論オフィシャルなので音質もいい。ただ、会場では轟音だったというギターの音が少しばかり控え目なマスタリングになっている。だが全体の音像は実にクリアで、オフィシャル・ブートレッグを揃えていたファンにも聴いてほしいものだ。
プログラムにも少し触れておこう。オリジナル・ラインナップでレコーディングされた珠玉の楽曲群はもとより、嬉しいことに各人の在籍したバンドの代表曲もバンド演奏されている。ハウはギターが冴え渡り、ウェットンの無理して高音を出さないで歌う「ラウンドアバウト」、パーマーの豪快なドラミングが楽しめるインスト「庶民のファンファーレ」、キング・クリムゾンの才能を評価してほしいという理由で演奏された「クリムゾン・キングの宮殿」、そしてウェットンの拡声器を使ったヴォーカルで会場が一番盛り上がったという「ラジオ・スターの悲劇」(よくキーボード・インストで演奏されたが、今回は歌入りのバンド演奏である)。詳しくはこちらを参照。また、ディスク1がオリジナルに忠実な演奏が多いのに対して、ディスク2はシングル曲だった「ドント・クライ」やシングルB面だった「ライド・イージー」がアコースティック演奏されたり、「ヒート・オブ・ザ・モーメント」が客席を煽っての大合唱になっていたりと、変化に富んでいる。
欲を言えば、少し残念なのはオリジナル・ラインナップにこだわったために「ゴー」と「ヴォイス・オブ・アメリカ」というサード・アルバムの佳曲が演奏されていないことだ。だがまぁ、オリジナル・メンバーにこだわったうえにファン・サーヴィスも加わったプログラムであるので、それは我慢できよう。
噂によると、ライヴDVDのリリースや、このメンバーでのスタジオ・アルバム制作も予定されているという。このメンツでの新曲が聴けるとは! 噂ではなく、ぜひとも実現して欲しいものだ。それまでウェットンとハウが喧嘩しないように祈りつつ(苦笑)待とうではないか。
新しい時代に、古き良き名曲達を。本作は「ア・ヤング・パーソンズ・ガイド・トゥ・オリジナル・エイジア」となるだろう。
| FANTASIA - LIVE IN TOKYO | ファンタジア〜ライヴ・イン・トーキョー | |
| [Disc-1] | ||
| 01. | Time Again | タイム・アゲイン |
| 02. | Wildest Dream | この夢の果てまで |
| 03. | One Step Closer | ワン・ステップ・クローサー |
| 04. | Roundabout | ラウンドアバウト |
| 05. | Without You | ウィズアウト・ユー |
| 06. | Cutting It Fine | 流れのままに |
| 07. | Intersection Blues | インターセクション・ブルース(スティーヴ・ハウ・ギター・ソロ) |
| 08. | Fanfare For Common Man | 庶民のファンファーレ |
| 09. | The Smile Has Left Your Eyes | 偽りの微笑み |
| [Disc-2] | ||
| 01. | Don’t Cry | ドント・クライ |
| 02. | The Court Of Crimson King | クリムゾン・キングの宮殿 |
| 03. | Here Comes The Feeling | ときめきの面影 |
| 04. | Video Killed The Radio Star | ラジオ・スターの悲劇 |
| 05. | The Heat Goes On 〜 Drum Solo | ザ・ヒート・ゴーズ・オン〜カール・パーマー・ドラム・ソロ |
| 06. | Only Time Will Tell | 時へのロマン |
| 07. | Sole Survivor | 孤独のサヴァイヴァー |
| 08. | Ride Easy | ライド・イージー |
| 09. | Heat Of The Moment | ヒート・オブ・ザ・モーメント |
(IECP-20055〜6)