パナソニック NV−SB800W  定価\157,500 (1996年秋発売、使用期間97年4月〜05年12月)


 画質・音質ともパナソニックS−VHS最強と言われる銘機。

NVSB800W2

NVSB800W1



    主な特徴

 1.3次元Y/C分離&3次元DNR
 2.特殊再生時にも効果を発揮するプロフェッショナルTBC
 3.高出力を誇るアモルファスヘッド
 4.ワイドクリアビジョンHH信号対応チューナ
 5.安定した電源を供給するバーチャルバッテリー回路


    画 質   ★★★★

 内蔵の地上波チューナーは、解像度が高く、発色も良い。
 しかし、輪郭がキツい。  輪郭に細いがしっかりとした白い縁取りがつく。
 ゴーストがひどいチャンネルでは縁取りも目立ってしまったりする。
 録画画質、まずは標準モード。画面が少しザラつく。
 原画再生、とはいかない。しかしこれはS−VHS自体の限界。
 録画直後にビデオ映像を見返すとがっかりするが、
 しばらく見ていると、キレイだなと感じてくる。
 色の純度は高い。  特に色信号を低域変換して記録する
 VHSで問題となる赤、本機は非常に鮮やかで、はみ出しも少ない。
 コントラストが強いので、画像にパワーを感じる。
 しかし、輪郭の縁取りが太くなる。28インチで目に付く。
 ましてや100インチとかにしたら、耐えられないだろう。

 3倍モード、標準モードとの差は少ない。
 画面全体のザラつきがが多少増え、文字などの輪郭が揺れて
 安定感がなくなるが、印象としては標準モードと同じである。
 パッと見で標準か3倍かを区別するのは簡単ではない。
 3倍モードでは輪郭の縁取りは太くならないので、
 3倍モードの方が素直な描写である。
 そんな訳で、私は3倍しか使ってません・・・
 一般の方に本機の3倍モードを見せたら、
 ビデオ映像だとは思わないだろう。

 ただし、3次元NRとTBCをOFFにすると、
 画面はグラグラ、色はモヤモヤ、結構キビシイ。

 レンタルビデオ再生。ノイズが少ない。本機の3次元DNRが効いている。
 TBCを積んでるだけあって、ジッターもなく、ぴしっとした映像。
 ただ、輪郭が太いんだよ!!これ何とかしてくれ〜〜(T_T)


    音 質   ★★★★★

 本機の特徴として、「音質にこだわったビデオデッキ」というのがある。
 バーチャルバッテリー回路を導入し、電源からこだわって、
 コンデンサーにもこだわったらしい。
 その成果か、確かに音にパワーがある。
 それまで使っていたHiFiビデオとは違う音だ。
 太鼓の音が違うし、ライブなどを見てても違いを実感する。


    操作性   ★★★★★

 本体の方は、前面ドアを下ろすと操作ボタンが並んでいる。
 一つ一つのボタンは適度な大きさで、クリック感もよい。
 リモコンもがっしりしている。特に不満はない。
 録画予約は、Gコード以外にも、時刻やチャンネル等を
 直接転送する方法があって、これも使いやすい。
 Gコードが分かるものが手元にない時などは嬉しい。


    特殊再生   ★★★★

 早送り・巻戻しは、120分テープの場合約2分30秒。
 最近のデッキは1分とか、サンヨーの「500倍速フラッシュメカ」になると
 40秒かそこらで巻戻しができてしまう!
 それに比べると緩慢な気はするが、早ければそれだけテープへの負担も
 増えるだろうし、まあいいかなーと思える。
 巻戻しの際に発するモーター音は比較的静か。

 本機の早送り再生は、キレイである。
 「プロフェッショナルTBC」がサーチ時に効き、
 バーノイズもあまり目につかない。
 早聞き音声は「0.7倍」「1.3倍」「2.0倍」の3モードがある。
 「1.3倍」は早口になるが、声の高さは変わらず、  音声情報の欠落はない。
 「2.0倍」は音声情報が定期的に欠落する。
 これはサンヨーの「時短ビデオ」に一日の長があるようだ。
 ちなみに、早聞き音声はノーマルトラック音声を使うので、音質は劣化する。


    デザイン   ★★★★★

 高級機の代名詞である前面ドア!(=∇=)
 丸みがあってメカメカしていない!
 本体の音声レベルメーターもイイ!
 所有者の心を満たしてくれる。


    総 評   ★★★★

 画質は、くっきりした輪郭がご愛嬌だが、それ以外では他機を寄せ付けない。
 音質もビデオデッキにしてはいい。動作も俊敏、安定。デザインも高級感あふれる。
 S−VHSデッキとしては最高峰の1つだろう。

 2002年にD−VHS、2003年にDVDレコーダーを導入してからは
 再生専用機として活躍してくれた。
 2005年に手離すまで、よく働いてくれた。





BACK HOME