デノン SC−V707
定価\31,500 (1997年4月発売、98年12月購入)
独自のダブルウーファー構成でサイズを超えた低音を再生
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主な特徴
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1.ウーハー:12cm×2,ソフトドームトゥイーター:2.5cm×2,リアバスレフ型
2.低音域を拡大しながら非直線歪を打ち消すP.P.D.D.(Push Pull Double Drive)方式
3.真鍮削りだし、バナナプラグ対応の金メッキスピーカーターミナル
4.梨地調仕上げで落ち着いた外観
5.再生周波数帯域:50Hz〜35kHz,能率:89dB
音 質
★★★
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本機の一番の特長はDENON独自のP.P.D.D.方式を採用していることである。
一見何の変哲もない2wayだが、実はキャビネット内部に
もう1つウーハーが隠れている。これは同じ口径のウーハ―を
背中合わせに配置することで、
振動板面積を2倍にできるというもの。
つまり本機は12cm×2だから、約17cm口径のウーハーと等価になる。
スピーカーのサイズを大きくせずに低音再生能力を高めることができるのである。
また、スピーカーを逆向きに配置することで、スピーカー自体の歪を相殺できる。
さてその音、確かにサイズを超えた低音である!
サブウーハーとのつながりも良く、声の質感もよく出ている。
試しにサブウーハーなし、フロント2本だけでCDを聴いてみた。
かなり頑張る。分厚い低音に支えられて、
躍動感たっぷりに音楽を聴かせてくれる。
高音はやや物足りないかなぁとも思うが、
この価格帯で多くを望むべきではないか。
当初は本機を4本購入し、フロント・リア両方に使っていた。
その後はリアだけに使っていた。
サラウンド再生時には、サブウーハ―がある場合には
低音域をサブウーハーに任せることもできるが、
それでも100Hzぐらいはある程度再生できなければ中抜けの音になってしまう。
本機ぐらいの大きさのブックシェルフはリアスピーカーに適していると
思われるが、本機はなかなかいいパフォーマンスを持っていると思う。
デザイン・端子
★★★★
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本機は低価格ながら、端子は真鍮削りだしの金メッキ、
しかもバナナプラグ対応の大型のものでバイワイヤリングまで対応している。
キャビネットはMDF、外観は梨地調の上品な仕上げ。
角がラウンドしたデザイン、見た目もいい。持つとずっしり重い(4.9kg)。
ウーハーが内部にもう1つあることも関係しているのだろうが、
ヤワな作りではない証拠だろう。
総 評
★★★★
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サイズ以上のサウンドパフォーマンス、贅沢な端子、上品な仕上げ、
とても1本15,000円とは思えないパフォーマンスだ。
本機はあまり広くない空間で使うのならばメインスピーカーとして、
そしてサラウンドのリアスピーカーとして、十分な性能を持っている。
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