ソニー MDS−JE630
定価\56,700 (1999年6月発売、使用期間00年11月〜05年4月)
新ATRACを採用し音質を確保しながら、PCとの連携も意識した高C/Pなデッキ。
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主な特徴
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1.ATRACの演算処理能力を2倍に高めた“TYPE−R”DSP搭載
2.PCとの連携に備えた、優れた拡張性
音 質
★★★★★
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本機は第4.5世代目のATRACを搭載しており、入力信号にダイナミックに適応させて
エンコードを行う、大分賢いやつである。
圧縮メディアであるMDでは、デコード側の規定のみが決められており、
エンコード側で音質の向上を図る余地が残されている。
CDでは音楽信号を16bit(=約65,000段階)で表現しているが、
通常の音楽であればその平均情報量は、1/4〜1/5であるという。
よって、情報削減をうまくできれば、劣化なく情報量を減らすことが可能なのである。
MDでは人間の聴感特性、信号自体に含まれる冗長性(無駄な部分)を考慮して
情報を減らしており、「MDは音が悪い」という人がいるが、
少なくとも理論的には考えにくいことではある。
さて実際の音ですが、私にはCDとの差が分からない。
あったとしても、ごく僅かだろう。気にならないし、気にするまでもない差である。
低域の力強さ、声の張り出し、高音の伸び、どれをとっても素晴らしい。
操作性
★★★★★
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実は本機を購入した一番の理由は、操作性のためなのである。
これ以前はKENWOODのDM-7090を使っていた。
音質に不満はなかったが、タイトル入力が大変だった。
ジョグダイヤル方式で、1文字づつダイヤルをくるくる回して入力。
アルバム一枚分のタイトル入力を終えた時には手首が死んだものである。(T_T)
本機は前面パネルにキーボード端子があり、キーボードでタイトル入力等ができる。
当たり前だが、これがすこぶる快調!あっという間に入力が終わる。
その他の、DIVIDE、ERASE等は本体のジョグダイヤルを使う。
「ダイヤル+YES,MENU」というSONY独自のボタン配置らしいが、使いやすい。
リモコンがしっかりしている。リモコンでの文字入力も簡単。
カタカナはア行カ行毎に一つのボタンが与えられる携帯方式、
英数字は1文字づつボタンが与えられている。
本体のディスプレイは2行表示で、タイトルと演奏時間が同時に見える。
デザイン
★★★
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本機は低価格とあって、前面パネルはアルミではなく樹脂モールド。
しかし角がラウンドしたデザイン、ボタンの配置など、見た目のバランスはいい。
薄型のデザインなので、さほど安っぽくはみえない。
総 評
★★★★★
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録音時間を2倍・4倍にするMDLPや、PCからのデータ転送などを行うNetMDには
対応していないものの、それを除けば音質・機能で不満はない。
オーディオ機器として使うのならば、データ量が1/2・1/4になるMDLPは必要ないし、
NetMDも必要ない。私は本機に不足を感じたことがないので☆5つ!
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