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FinePixの高感度画質は本物だ

(2007.7.14)


 フジが先鞭を付けたデジカメの「高感度」の流れ。
 今やどの会社も追随してきたが、それでもなおフジが
 頭一つ図抜けている、その事実を再確認した。



   これまでのデジカメ人生

 当サイトでデジタルカメラについて取り上げることは少なかったが、
 実は私は2001年から使い始めていて、もう6年も使っている。
 特に2〜3年前からは結構使用頻度が上がり、それによって
 撮影経験も増え、デジカメについても深く興味を持つようになった。
 
 2001年に買ったのはフジの「FinePix 1700Z」だった。
 150万画素、光学3倍ズーム機だったが当時では標準的だった。
 今見ると随分大きいなぁ。
 
 2003年にはカシオの「EX-Z3」を購入。
 320万画素、光学3倍ズーム、2.0型高精細液晶、それでいて軽量・薄型、
 買ったのは発売直後だったが、本機をきっかけに1つの大きなトレンドが
 生まれることになった、間違いない大ヒット作となった製品である。
 画質もそこそこ良く撮れるもので、その小ささもあって
 いろいろな場所に携帯して行き、随分と使い倒したものだった。
 
 2005年にはフジの「FinePix F10」を購入。
 それまでの経験で「カメラの実力は暗い場面で差が出る」と分かり、
 重視するポイントを高感度に絞って選んだ機種だった。
 結果は狙い通り。結婚式に出ると、一番きれいに撮れていたのは
 いつも私のカメラで、シメシメと頷いた。
 
 そして先日、同じくフジの「FinePix F31fd」に買い替えたばかりである。



   フジの高感度画質は本物

 結婚式に出席すると、その後は友人同士で写真を持ち寄るのが常だが、
 そこは様々なメーカーのデジカメの画質比較を行える格好のチャンス。
 どこのメーカーも今や高感度を謳っているが、実際に撮った画像を
 見比べてみると思いのほか差があることに気が付くのである。
 
高感度画質例1

シャッタースピードを上げて、同時にCCDのゲインを上げて感度を稼ぐパターン。感度は上がるがノイズが多くてザラザラの画像になる
高感度画質例2

ノイズを減らすために周囲の画素と演算を行うパターン。感度は上がってノイズは減るが、解像度が下がる
フジの高感度画質

感度が高く、ノイズも少なく高解像度。
 ※画像はフジのメーカーサイトより引用

 画像はフジのメーカーサイトのものなのだが、これがよくある
 メーカーのでっちあげ写真ではなく(笑)、真実に近いのである。
 私が今まで見てきた、私以外の人が撮った結婚式の写真で言うと、
 押しなべてザラついている、色乗りが薄く雰囲気が損なわれている、
 あるいは感度が低いが故にブレてしまっている、そういう写真が実に多い。
 フラッシュを焚くと画像全体が白けてしまってその場の雰囲気が伝わらないし、
 手前の物が明るくなって後方は暗くなってしまう・・・。
 結婚式の写真というのは非常に難しいのである。
 
 その点、FinePix F10では少し暗い場所でもフラッシュを焚かずに
 感度が稼げる、だからブレにくいし、その場の雰囲気が伝わる写真が撮れる。
 まあ、いろいろと理屈をごねるよりも、実際の写真から受ける「感動」が違う。
 恐らくフジの開発陣はこの「感動」を消費者に伝えたい、
 その一心でこの製品を開発したのだと思う。
 
 さて、このフジの高感度画質はなぜ獲得できるのか。
 それはCCD、光を電気信号に変換するデジカメの肝と言える部品に秘密がある。
 


    高画質の肝は「ハニカムCCD」と「受光効率」

 フジのデジカメには「スーパーCCDハニカム」が搭載されている。
 一般的な正方配置ではなく、蜂の巣状に受光部を配置することで
 1画素の受光面積を増やすことに成功しているのだ。
 受光面積が大きいとノイズの影響が少なくなるため、
 高画質化につながる。つまり、同じCCDサイズ、同じ画素数でも
 ハニカム形状の方が有利ということになる。
 
ハニカム(蜂の巣)形状は空間効率が高い形状で、さまざまな分野でよく用いられる

 フジはCCDを自社開発している数少ないメーカーであり、
 だからこそ他社も容易にマネができない。
 
 そして、CCDの大きさも関係がある。
 コンパクトデジカメでは1/2.5インチのCCDが主流であるが、
 フジのFシリーズに採用されているのは1/1.7型で、大きい。
 それは1画素の受光面積をさらに増やすことにつながる。
 
 さらに、画素数を欲張っていないことも大きい。
 フジのF31fdは630万画素。最近では800万画素は当たり前、
 1000万画素や1200万画素も登場しているなかで、
 この数字だけ見れば物足りなさを覚えるかもしれない。
 しかし、画素数を増やすことは、1画素当たりの受光面積を減らすことになる。
 逆にフジはそこを630万画素に抑えることで、高感度のメリットを
 最大限に追求していると見ることができる。
 


    不毛な競争はもうやめろ

 最近、1200万画素CCDを搭載したデジカメが発表されている。
 カシオから「EX-Z1200」、松下からは「DMC-FX100」である。
 コンパクトデジカメで1000万画素を積むメリットはあるのだろうか?
 一般的な使用では1000万画素も要らないことは、多少知識がある人なら
 分かること。私はEX-Z3の320万画素でも不満を感じたことはなかった。
 
 また、1000万画素という膨大な情報量も、晴れた日の屋外であれば
 1000万画素分の情報が記録できるかもしれない。
 しかし晴れた日でも屋内では光量は減るし、結婚式やテーマパークなど
 薄暗い場所も少なくない。夕方・夜は言うまでもなく暗い。
 常時三脚を持ち歩くような人でもなければ、このような場所で
 ブレなく撮影して1000万画素のパフォーマンスを発揮させることは、
 不可能に近いと言える。
 
 撮影された画像をパソコンモニターで見たり、さほど大きなサイズの
 プリントをするでもない通常の使い方をする限りは全く不要な1000万画素、
 十分な光量が得られる晴天の屋外以外では、ザラザラの画像や
 ブレてボケた画像を撮って、いたずらにデータ量だけ
 デカくて、でもそれを高級品だと思って割高で買って・・・
 それがユーザーメリットになるとはとても思えない。
 高感度競争もISO3200だのISO6400だのISO10000だのと数字ばかり大きくて、
 撮れる画像は使い物にならないものばかり。
 画素数しかり、ISOしかり、消費者を欺くための不毛な数字競争はもう止めろ。
 
 その点、FinePixは画素数を実用的な範囲に抑え、実際に撮れる画像品位を
 上げることに注力していることは大いに評価したい。
 惜しむべくは、画素数の数字や広告に踊らされている消費者が多く
 フジの実力が世間に伝わっていないことである。
 
 フジに望むことと言えば、広角レンズの搭載と、16:9撮影モードの追加である。