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シルバースタジオ1×オンキョーD-302E対決!

(2007.6.10)


 シルバースタジオ1を友人まさるさんに貸し出した。
 まさるさん所有のオンキョー「D-302E」との比較を
 レポートしてもらったので、紹介させていただく。



   D-302Eって言ったら結構いいスピーカーだよね

 Gold Signature 20が到着してすぐに、友人まさるさんからメールが来た。
 「すごいスピーカー買ったもんだね( ̄□ ̄;)!!
  シルバースタジオ貸して〜」

 親友まさるさんの申し出ですから、すぐにOKし発送の手続きをしたのであった。
 まさるさんもオーディオに凝っている方で、
 手持ちのオンキョー「D-302E」と聴き比べをしたいとのことであった。

ONKYO
D-302E


定価 126,000円(ペア)

16cmウーハー+4cmツイーター
能率:83dB
インピーダンス:4Ω
寸法:210W×347H×363Dmm
質量:10.8kg/台

スピーカースタンドはオーダーメイドとのことで、寸法バッチリですね。普段聴く環境に合わせて高さも合わせこんである

 オンキョーのスピーカーが最近評価を上げているが、
 その始まりと思えるのは「D-312E」である。
 ブックシェルフの中ではかなりの高評価で、いくつかの賞も取っている。
 新開発の高剛性振動板A-OMFモノコックコーンと、
 このサイズでは異例とも言える大口径65mmのボイスコイルを
 採用したウーハーユニット、リング型のツイーターユニットが特徴である。
 特に強力な低音再生が優れているという評判だ。
 
 そのD-312Eが発売される半年前に発表されているのがD-302Eである。
 D-312Eと設計思想は同じ、ユニットの構成も材質も全く同じだ。
 違うのは寸法と重量(D-312Eは12.2kg)、そしてD-302Eは同社のミニコンポ
 「INTEC」用として位置づけられていることぐらいである。
 
 そんなD-302Eとシルバースタジオ1を聴き比べたいなんて言われた日にゃあ、
 喜んでスピーカーも貸し出しちゃいますよ。



    シルバースタジオ1、行きまーす!

 シルバースタジオ1が到着して、セッティングが完了した様子を
 写真に撮って送ってもらった。

Monitor Audio
Silver Studio1


定価 102,900円(ペア)

15cmウーハー+2.5cmツイーター
能率:90dB
インピーダンス:6Ω
寸法:175W×300H×240Dmm
質量:6.0kg/台

シルバースタジオ1inまさる邸。D-302Eと比べると一回り小さいんですね。

 両者を比較すると、D-302Eと比べるとシルバースタジオ1の方が小さく、
 重量も軽いことが分かる。寸法は特に奥行きに差があり、
 シルバースタジオ1はD-302Eの2/3しかない。
 キャビネット容積で言うと40%以上も少ないことになる。
 そして重量も10.8kgと6.0kgだから、40%以上もの差がある。
 キャビネットの大きさが違うのと、D-312Eの大口径ボイスコイルが
 重量にも現れているのだろう。
 まさるさんもシルバースタジオ1が到着して、まずはその小ささに驚いていた。
 
 ウーハーユニットもD-302Eが16cmなのに対し、シルバースタジオ1は15cm。
 たかが1cmと思うなかれ、面積では2乗で効くから13%の差になる。
 
 ここまでで、低音再生ではD-302Eの方が上ではないか?という予想が立つ。
 
 まさるさんのシステムはONKYOで固められている。
 プリメインアンプ:ONKYO 「A-933」
 CDプレーヤー:ONKYO 「C-733」
 
 うーむ、これではD-302Eが有利な条件なのは間違いない。
 その逆風の中、シルバースタジオ1はいかに戦うのだろうか?



    まさるさんの音質レポート

 以下、まさるさんの音質レポートを引用しながらコメントさせて頂きます。
 
 『一言で表現するなら“音の広がりと艶のあるシルバースタジオ”。
  聴いてまず驚いたのは低音の朗々とした鳴りっぷりでした。
  うちの子よりも小さなウーハーなのに低音の効いたサウンドはすごいよ!』


 な、なんと!低音再生では不利を予想していたので、これには驚いた。
 
 『能率が良いことから予想される、コーンの軽さと応答性、
  金属製によるしまりを両立して実現させ、背面についた
  バスレフポートで音の広がりを持たせてるんだろうなあ。
  ジャズのウッドベースやロックのドラムの音が、
  うちの子とはまた一味違う心地よさを持っていたよ』


 そうですかー。確かに能率による音の違いはあるだろうね。
 D-302Eは能率が83dBで相当低い数値になっている。
 対してシルバースタジオ1は90dB。
 能率が3dB違うとアンプ出力では2倍の差になるから、
 鳴りっぷりやレスポンスはシルバースタジオ1の方がいいというのは納得。
 
 バスレフポートも前後で違ってくるだろうね。
 D-302Eはフロント下部のスリットポート、シルバースタジオ1はリアバスレフ。

 『そしてもう一つ驚いたのは女性の低音の声。
  非常にリアルで艶のある声を再現できてるよ。
  LYRICOの曲を聴いてて鳥肌が立ったね』


 ほほぅ。ここでも低音再生でシルバースタジオ1に軍配ですか。

 『ただし、低音の質が違いました。D-302Eは重くてバツンと切れる音。
  重いコーンと強力マグネット+バスレフで指向性と応答性のある
  重い音を出すけど、広がりはない。
  一方、シルバースタジオ1は広がりあって、量感のある、
  でも決して軽さを感じさせない音を再現していた』


 なるほど、低音の質ね。どっちが好みかは人によるところがありそうですね。
 
 『高音は、D-302Eに比べてシルバースタジオ1は艶と言うか、
  伸びが足りない感じがあった。
  Lyricoの高音、MR.BIGのエリックの癖のある高音、シンバルなど
  もう少し出てもいいのでは?と思うところで出きっていないようでした。
  逆に人の声の中域では艶のある音を再現してた。
  これは設計者の意図かな?と思わせるほどにね』


 高音では評価が逆転ですね。興味深いところです。

 『高音はアンプに左右される部分でもあると思う。
  A-933はD-302Eを駆動するために合わせこんで作られている分、
  アドバンテージがあるだけかも・・・とも思います』


 まあそうですね。特にD-302Eは能率は低いしインピーダンスも低いから、
 鳴らしやすいスピーカーとは言えません。
 ということはそれに合わせこんで設計されているA-933も、
 かなり味付けがなされている可能性があるから、
 スピーカーだけを他社製に変えたら上手く鳴らない可能性もあるでしょう。
 
 『結論としては、シルバースタジオ1はサイズ・価格からは想像できない
  非常に高い実力を有した良いスピーカーであると思います!
  今回とっても良い経験をさせてもらいました。タイプの違うものを
  聴き比べできて勉強になったよ!ありがとうございます』


 いえいえこちらこそ。
 
 今回の比較はONKYOで固められたシステムの中にシルバースタジオ1が
 入っていくという、やや特殊な条件でのレポートになるので、
 これを読む方もそこを差し引いて考えていただきたいが、
 逆風の条件下でもシルバースタジオ1のパフォーマンスの高さは光ったようだ。
 

 さて、そんなまさるさんには遂に第一子が誕生されました。
 おめでとうございます。少子化を食い止めるために、
 あと2人は作ってくださいw
 
 私がGold Signature 20で散財している一方で、まさるさんは
 まさに「priceless」な命を授かっているという・・・見事な対比ですな(ーー;)