エディがAV(オーディオ・ビジュアル)やホームシアターに関して熱く語る


ハイビジョンレコーダー想2007春

(2007.2.20)


 ブルーレイレコーダーに照準を合わせているエディ。
 しかし『HDD』という選択はどうなの?
 と思ったので整理してみる。



    「DVDにムーブ」ができない!

 ブルーレイレコーダー、もちろんいずれは買うけれど、HD−DVDとの規格争いが
 決着してから、もっと安くなって10万円切ってから買おうかな〜。
 と悠長に構えていたのは今は昔、最近は購入にかなり前のめりである。
 というのは、「RDZ−D70」のHDD容量がいっぱいになってきたのだ。

 D70のHDD容量は250GB、少なめであるが、
 それは購入する時点でも分かっていたことだった。
 私は「見たら消す」ことをマメに行うし、残したいコンテンツはマメにDVDに
 ムーブするので、HDD容量がいっぱいになることはないと思っていた。
 しかし、「DVDにムーブ」することができなくなってきたせいで、
 HDDがいっぱいになってきてしまったのである。

 具体的には、地上デジタルを録画した「NHKスペシャル・プラネットアース」、
 「世界遺産」の秀作、「のだめカンタービレ(ドラマの方ね)」などが
 HDDからDVDに落とせないでいる。これだけで150GB分はある。
 これらはハイビジョン画質でなければ感動が大きくそがれてしまう。
 そして、最近大きくなってきた問題は「音声」の方で、DVDにムーブすると
 ドルビーデジタル2chになってしまうことだ。
 リニアPCMにすることも場合によってはできるが、画質に配分するビットレートを
 犠牲にしたり、時間が短くなったりする。そしてAAC5.1chサラウンドは
 全く諦めざるを得ない。特に「プラネットアース」はAAC5.1chで放送されており、
 視聴しながら5.1chの効果を実感できるほどに音声設計が優秀なコンテンツだ。
 「世界遺産」、「のだめカンタービレ」も2chながら非常に高音質なソースで、
 映像もさることながら、「音」で感動している部分も少なくない。

 DVDにムーブすると、この感動を捨てることになると思うと、
 「DVDにムーブする」というボタンを押すことはできない。
 


    HDDに保存するという選択肢

 ブルーレイ機はまだ10万円以上でディスクも1層25GBが2,000円するし、
 気軽に買える代物ではないことは否めない。
 と思っていたら、パイオニアのスグレコを思い出した。
 これはHDDが増設できてそこに保存できるんだった。
 一旦注目してみよう。
 
PIONEER
DVR-DT75

(売価 60,000円前後)

愛称は「スグレコ」。本体HDDがいっぱいになったら専用の増設HDDに移せる


増設用HDD。400GBで35,000円程度
本体HDDが400GBでブラックフィニッシュのDT95と、
本体HDDが250GBでシルバー&ブラックのツートンの
DT75の2ラインナップ。DT75はネットショップでは
既に60,000円とお手ごろな価格になっている。
増設用のHDDも400GBと250GBが用意されているが
コストパフォーマンスとスペースファクターなどを
考えれば400GBの方がお得だろう。
HDD保存のメリットは、第一に高速読み出し。  
 ブルーレイディスクをセットした時のローディングには1分以上はかかるようで、
 それをディスクを交換する度に待たされるのは結構なストレスかもしれない。
 HDDなら起動時(または接続時)の立ち上がりは比較的早いし、
 一度起動してしまったら後は400GBの中にあるコンテンツには
 自由に高速にアクセスできるので便利だ。
 
 またスペースファクターでも有利だ。「何言ってんだ、ブルーレイディスクの方が
 薄いし場所取らないだろうが」というかもしれないが、冷静に考えれば
 400GBというのは25GBの一層ディスク16枚分に相当するのである。
 一般的なディスクケースは縦12cm×横14cm×厚み1cmだから、
 その16枚分の体積は2,688立方abになる。
 それに対して増設HDDは縦16cm×奥行20cm×厚み4.5cmで1,440立方ab、
 約半分のスペースで済むことになる。
 また、ディスクが100枚あるよりもHDDが6個の方が整理整頓しやすそう。
 
 逆にデメリットを考えてみる。
 増設HDDはパイオニア機とのセットでないと使えないのは当然だと思うが、
 さらに録画したその機体とのセットでなければならないのだ。
 これは厳しい。録画コンテンツを他人に貸すことはできないし、
 本体の機体が壊れたらどうなるのか?増設HDDの中のコンテンツは
 水泡に帰してしまうのだろうか?
 また、増設HDDは一体いつまで作られるのだろうか?
 3年経ったらもう在庫がありません、ではシステムが行き詰まってしまう。
 
 ブルーレイであれば、ディスクがかかるモデルであればどこへでも行ける
 柔軟性がある。ブルーレイディスクがかかる製品がなくならない限りは大丈夫。
 「メディアはコンテンツの仮住まい」とは有名な言葉で、
 大事なコンテンツ、それが未来永劫見られるようでなければ安心して
 ライブラリを作れない。この点ではディスクメディアに長がある。
 
 また、コストパフォーマンスでもHDDが有利とは言えない状況である。
 400GBのHDDが35,000円程度だが、一層25GBのブルーレイディスクが
 1枚2,000円程度、×16枚で400GBにすると32,000円、ほとんど同じ。
 むしろブルーレイディスクの方がこの先の値下がりを期待できる分
 有利という感じがする。

 このように考えていくと、HDDに保存するという選択肢にする勇気は出てこない。



    ブルーレイ機にロックオン!

 ブルーレイ機がまだ高いとか、ディスクも高いとか、事情はあるけれど
 D70のHDDがいっぱいになる、その瞬間は刻一刻と近づいている。
 背に腹は替えられない、とりあえずディスクに残せば大事なコンテンツを
 ハイビジョンのままAAC5.1chのまま保存できるのだ。
 松下機の方が安くなっているが、使い勝手のことを考えるとソニー機になる。
 現在のD70も非常に使い勝手が良くて非常に満足していることも大きい。
 
SONY
BDZ-V7

(売価 148,000円程度)

二層ディスクに非対応なのが最大にして唯一の(?)欠点

 廉価機の方のV7は、なんと15万円を切っている。
 昨年末では20万円だったから、たった2ヶ月で5万円ものプライスダウンである。
 ただ15万円を切ってからダウンの動きがおとなしくなったように見える。
 あとは私が「購入」ボタンを押すことを、いつまでどこまで我慢できるかによる(笑)
 
 そう言えば最近シャープが「録画もできるブルーレイプレイヤー」として
 「BD−HP1」を発表している。
 これはシャープ製の液晶テレビまたはシャープ製のレコーダーを持っている
 ユーザーでなければ「録画機能」は使えないので、
 完全な「囲い込み商品」だ。商売の臭いがプンプンしてあまり気分は良くない。
 まあこの商品は基本的には再生機であるから仕方ない側面もある。
 デジタルチューナー、HDDを積んだ正式版のブルーレイ機のリリースを待とう。
 シャープ以外にも、パイオニア・ビクター・三菱などは早くブルーレイ機を
 商品化して欲しいものだ。
 

 ブルーレイ機を買ったら、今のD70は手離すことにして・・・
 というのが今までの考え方だが、それはできない。
 D70のHDDにあるコンテンツは、DVD以外には移動することすらできないのだ。
 何という不条理なシステムであろうか!
 だからD70は「NHKスペシャル・プラネットアース」、「世界遺産」、
 「のだめカンタービレ」が入った“箱”として一生持ち続けることになる。
 そう思ったら、「ハイビジョンレコーダー」と図々しくも名乗って売られている
 現在のHDD/DVDレコーダーが妥協の産物に見えてきた。