V - eye
エディが思いつきでAVを斬る!語る!

ピュアオーディオもいいね

(2004.5.1)


   先日、フロントスピーカーをモニターオーディオにチェンジし、
   初の”本格派”スピーカーのパフォーマンスを堪能している。
   今回はこれを契機に、オーディオについて感じることを記してみる。


   ― モニターオーディオ絶好調 ―

既にレポートもしたが、先日購入した英モニターオーディオの
シルバースタジオ1」のパフォーマンスに浸っている。
写真の通り、スピーカースタンドの置き面にもほぼぴったりで、
シルバーのウーハーとあいまって、視覚的にもバッチリだ。

ピュアオーディオとして、サブウーハーなしの単体だけでも十分に
音楽を再生できる能力を持ったスピーカーはほとんど初めてだ。
かつて所有していたダイアトーンのモデル(DS−200ZA
もかなりイケていたが、かなり昔だし、部屋の大きさもだいぶ異なる。
そういった意味で、私はピュアオーディオの世界に
初めて足を踏み入れたと言ってよいのである。

   ― 2チャンネルを見直す ―

2チャンネルと言っても、最近ニュースで騒がれている某巨大掲示板の
ことではなく、2チャンネルリスニングのことなのだが、
2チャンネルの良さを改めて感じている。

私は1997年からサラウンドに移行し、音楽を2cnで聴くことはなくなって、
何を聴くにしても「JUZZ CLUB」「5CH STEREO」、
「ドルビープロロジックU」などでマルチチャンネルに拡大して聴いていた。
やはり包囲感というか臨場感が心地よくて、
”ヤマハのシネマDSP万歳党”という感じであった。
「音楽を2chで聴くなんてもうあり得ねーよ」とまで
タンカを切っていた時期もあったほどだった。

ところがシルバースタジオ1を購入してからというもの、
手持ちの音楽を片っ端から2チャンネルで聴いている。
私にとって、2チャンネルで聴く音楽がどこか新鮮に感じる。

「高品位な2chシステムでは、サラウンドを使った包囲感に
頼らなくても、リスナーは十分に満足感を得ることができる。」

という事実を私は発見してしまったというか、気づいたのである。

   ― 低音の”質” ―

シルバースタジオ1が来て以降、音楽を聴くときは2chつまり
サブウーハーなしで聴いている。これはシルバースタジオ1の
低音再生能力が高いことが大きいが、それだけが理由ではない。

そももそ、サブウーハーの方がより低域まで再生できるに決まっている。
周波数で言えばシルバースタジオ1では50Hzくらいまでだろうが、
サブウーハーは20Hz近くまで再生できるはずだ。
だから、理屈を言えばサブウーハー有りの方がレンジを広く確保できる。

ところが、私の場合の実際は、サブウーハーなしの方が好ましい。
具体的には、「低音の質」が異なるのだ。
シルバースタジオ1では、レスポンスが良く、軽い歯切れのある低音。
サブウーハー有りだと、「重低音」という表現の通り、重苦しくなる。
「ドン・ドン」という感じで、特にPOPSなどは最悪だ。
軽快な感じがスポイルされてしまう。
またサブウーハーは、ビートが微妙に一拍遅れる。
レスポンスという点では、小口径の方が有利だ。

”音の良さ”というのは様々な尺度があり、レンジが広いだけでは
必ずしも良い音だとは言えないのだ。
音の世界の奥深さを身を持って知った。

   ― 映画再生と音楽再生の違い ―

映画に含まれる低音は、何かが衝突したような時の直接音の他に、
迫力を出すため、緊迫した場面でスリル感を出すためなどの役目がある。
5.1chの0.1chはLFE(低周波効果音)という名前であることからも
分かるように、映画の低音というのは”効果音”という意味合いが強いのだ。
また直接音の場合でも、衝撃の瞬間から低音が微妙にずれていても
映像に集中していることもあってリスナーはさほど気に留めない。

以上のことから、映画再生における低音はある程度のレンジを確保し、
それを十分な量感をもって再生することが求められる。

一方音楽に含まれる低音は、太鼓、ドラムなど、テンポを刻むものがある。
この場合は、リズムに合わせて確実に低音を再生しなくてはならないため、
量感よりもまずレスポンスが重視される。
ギターのベースなどは多少の遅れがあっても分からないだろう。
概して、音楽の場合はリズムを持っているため、遅れが気になりやすい。
ましてCDなど純粋に音楽だけの場合はなおさらだ。

以上から、音楽再生における低音は、まずレスポンスが重要で、
次いでレンジ・量感を確保するということになると思う。

   ― サブウーハーの方式 ―

サブウーハーのレスポンスを問題にしたが、
サブウーハー全てがそうだと言い切った訳ではない。
私の所有しているサブウーハーはヤマハの「YST−SW80」で、
YST方式という手法を採用している。
ユニットの背後の空気振動をエンクロージャー内で共鳴を利用し増幅、
これをポートから排出するという仕組みだ。
コンパクトな筐体と、低域レンジの拡大を両立できる手法である。
ただ、レスポンスという点では有利とは言えない。
共鳴を利用するものは概ねレスポンスという点ではベストではない。

サブウーハーにも様々な種類があり、バスレフ型・密閉型、
直接放射式(ユニットが正面に付いているもの)、
近年のヤマハのQBテクノロジーのようにユニットが下向きに
取り付けられ、低音を全方位に放射するものもある。

サブウーハーで有名なVelodyne(ベロダイン)社の製品は
ユニットが正面に見える直接放射式&密閉式だ。
30cm径程度の大口径ユニットを使い、最適に設計されたアンプと
ユニット自体の力で低域を再生する。
国産サブウーハーとして高い評価を得ているビクターの
SX−DW7」も直接放射式&密閉式となっている。
バスレフ式は低域の量感を稼げる代わりに、低音の位相を反転させるため
どうしてもレスポンスを劣化させる部分があるからだと言う。
これはレスポンスを重視しているということなのだろうか。

同じく国産サブウーハーのトップブランド、ヤマハはフラッグシップモデル
YST−SW1500」を含め全ての機種が先に述べた
YST方式を改善したアドバンストYST方式だ。「YST−SW1500」では
人間の可聴域を超える16Hzからの再生を可能としている。
ヤマハは映画再生に重きを置いて、量感とレンジの確保を第一としたのだろうか。

こうして各社のサブウーハーを見ていくと、理屈から言えば
音楽再生重視か、映画再生重視か、というのが見て取れるのだ。
もちろん両者を余すことなく再生できるのが望ましいし、
音は理屈だけではないので、実際聴いてみないと真実は分からない。

   ― ピュアオーディオ路線に舵を切ろうか ―

当初、フロントスピーカーとセンタースピーカーを変えるという予定で、
フロントスピーカーの選定の際にはセンターがラインナップされていること、
という条件で絞り込みを行った。
しかし、2ch再生にハマっている状況を考えると、センターよりも先に
アンプのグレードアップや、プレイヤーのグレードアップをしたくなってきた。
そしてピュアオーディオメーカーのDENON、ONKYO、
はたまたmarantzなどの製品がまぶしく見えてきたのである。
A<V マニア 改め A>V マニア への華麗な転身である。

音はほとんどがスピーカーで決まり、次いでアンプ、プレイヤーの順に
影響が小さくなっていくというのは、定説と自身の経験則からして真実だろう。
ということで、AVアンプを替えようかと思ってきた。
現在使用中のアンプ、ヤマハ「DSP−AX530」は
定価は5万円超だが、アンプの実力的には4万円程度と思われ、
要は入門機なのである。これを価格を3〜4倍の物に変えたら
どのような変化が起きるのか、興味津々、期待メラメラだ。

アンプ部の性能を重視、映画のフォーマットはベーシックでよいとすれば、
2〜3年前の中堅AVアンプがリーズナブルにGETできる。
ハッキリ言ってドルビープロロジックUxなんて不要なので、
これでよいのである。

10万円のAVアンプの音は5万円のプリメインアンプの音と同等か負けるという
ような噂がもっぱらだ。15万円程度のAVアンプと伍するくらいだろうか。
その辺のを5、6万円でGETできれば良いなと思っている。
選定・購入はちょっと先にするつもりだ。