V - eye
エディが思いつきでAVを斬る!語る!

アンプ、デカいの薄いのどっちにするの

(2004.6.5)


   AVアンプを変えたいのだが、ピュア路線でデカいアナログアンプにするのか、
   スタイリッシュ路線で薄型デジタルアンプにするのか、なかなか結論が出ない。
   そこで今回は実際に複数のアンプを試聴し、音の違いを体験してみた。
   また話題のウッドコーンスピーカーも試聴した。


    ― ピュア路線かスタイリッシュ路線か ―

   ピュアオーディオというと、2チャンネルのプリメインアンプがベスト
   な選択ということになるが、やはりサラウンドもやることを考えると、
   AVアンプというカテゴリー内で考えざるを得ない。
   
   もしピュア路線で行くならば、10万円超のデカいアナログAVアンプを狙う。
   2〜3年前のものでも、アンプ部は現行機種とほぼ同じ実力だと仮定し、
   中古のものを5万円近辺でGETするつもりだ。
   
   スタイリッシュ路線で行くならば、5万円近辺の薄型のデジタルAVアンプ。
   前回のAV−eye「2004年夏・薄型AVアンプ特集」で考察したが、
   デノンかビクターの現行機種をやはり4〜5万円近辺でGETする。
   
   つまり、ピュア路線・スタイリッシュ路線、どちらも出費は同じ。
   あとは、「音の差がどれほどあるのか」という一点に絞られる。
   デカいアンプと薄型アンプを聴き比べて、
   「あぁ 違うねぇ!デカいアンプの方が明らかにいい音だねぇ」
   となれば、「デカいことには意味がある」ということになり
   デカいアンプを買うことになるし、
   「う〜ん・・・あんまし違わないなぁ」
   となれば、デカいアンプに未練を残すことなく薄型を選ぶことになる。

    ― 試聴条件 ―

   モニターオーディオの「シルバースタジオ1」を購入したお店にお邪魔し、
   上記のような「デカいアンプvs薄型デジタルアンプ対決」をお願いすると、
   店頭に展示してある機種の中から以下の2機種が選ばれた。


CEC
AMP3300

  (定価 \52,500)

SHARP
SD−PX1

  (売価 \55,000前後)
純A級アナログアンプ。独自のLFE回路により完全無帰還の回路構成を取る。 シャープ独自方式のデジタルアンプを採用したシアターパッケージ。

   音質を吟味しやすい2チャンネル再生に絞り、
   「15万円くらいのAVアンプは2チャンネルアンプだと4〜5万程度」
   という店員さんの判断で、アナログアンプ代表はCECのAMP3300となった。
   
   薄型デジタルアンプはシャープのシアターパッケージがあったので
   これを用いた。シャープは「1bitオーデイオ」と言っているが、
   デジタルアンプはどれもみな1ビットなわけで、これを薄型デジタルアンプの
   代表としても何ら問題はないであろう。
   
   スピーカーはどちらにもさきほどのシルバースタジオ1を接続、
   純粋にアンプだけの違いで音の違いを聴き比べる。

   ― 音の違いは・・・? ―

   まずシャープのデジタルアンプから。
   愛聴CD、中島美嘉の「Love Addict」を聴く。
   ベースのエネルギー感、ボーカルなど、全く問題なく再生。
   中域もぐんぐん出てくる。悪い意味で「デジタルアンプには
   デジタルアンプ臭さがある」という噂を目にしたことがあるが、
   私には分からなかった。
   
   次にCECのアナログアンプ。
   音が出た瞬間に違いを実感・・・できない。
   音に集中して聴くと、ボーカルの実在感がより感じ取れるような。
   けど音がこもっているような。。。う〜ん。
   シャープと音が同じか、と聞かれれば「NO」と言うが、
   「どっちがいい音?」と聞かれると困ってしまう。
   ブラインドテストなんかされた日にゃ正解する自信なしです。
   
   これは音の違いを判別するテストではない!
   「普遍的な音質の良し悪し」において、差があるかどうかのテストだ!
   ブラインドテストして差が分からないんじゃ、
   そりゃあ「気のせい」の一言で片付けられちゃうよね〜。
   
   困っている私を見て、店員さんが20万円する海外製アナログプリメイン
   に接続してくれ、再び聴いたが、やはり「同じかどうか」と聞かれれば
   「NO」だが、どちらが良いかというのは言えない。
   そしてこれもブラインドテストされたら判別する自信なし。
   
   つーかシャープなんかアンプ部だけなら3万くらいだろうに、
   3万と20万のアンプで明らかなグレード差が実感できない
   というのはどういうことよ??

   ― 薄型デジタルアンプに大決定! ―

   ということで、アンプを変えると「音が変わる」ということは
   なんとなく感じたものの、価格の高低で明らかなグレード差があるとか、
   アナログアンプとデジタルアンプで明らかな音質差がある、
   という点については、私を納得させるものはなかった。
   
   まあ私は音楽は楽しく聴ければよいというスタンスで、
   ケーブルを変えて音の違いを楽しむというような、
   微細な変化は問題にしないし、そういう感覚も持ち合わせていない。
   私はオーディオ”ファン”であるということをご承知ください。
   
   ということで、薄型デジタルアンプを購入することに決定した。
   
   購入候補はビクター「AX−F10」とデノン「AVR−770SD」だが、
   先日デノンは下級機「AVR−550SD」を発表している。
   770に比べ薄さが80→65mmとなり、32bitフローティングDSPが
   削られているが、アンプ部やアルミを用いた高級デザインは維持、
   かつプロロジUxを新たに搭載してきた。
   ただ薄過ぎという感じがして、買うなら770SDかな。
   「AX−F10」、「AVR−550SD」の実機を店頭で
   確認した後に購入することにする。

   ― 話題のウッドコーンを聴いた ―


Victor
EX−A1

  (定価 \94,500)
 

   アンプ試聴した店内に展示してあったので、自分のCDで試聴する機会を得た。
   今コンパクトコンポシステムで人気を集めているモデルだ。
   スピーカーというカテゴリーでは久々の革新的な技術、
   「ウッドコーン」を採用したスピーカーを核に、
   デジタルアンプ「DEUS」、高画質DVD技術「ダイレクト・プログレッシブ」
   など、ビクター独自の技術をフル装備したシステムだ。
   
   中島美嘉の「Love Addict」を聴く。
   かなり深みのある低音が出るのに舌を巻く。
   10cmにも満たないユニットから出る音ではない。
   木の振動板ということで、楽器と共通するイメージだと、
   「温もりがあって響きがきれい」ということになると思うが、
   高音の粒立ちなんかはさほどでもないのでは?という先入観を持って聴いたが、
   どっこいこれも鮮度があって、イメージを覆された。
   
   「スピーカーを単体で発売して欲しい、いろんなアンプにつなげてみたい」
   という声に応えて、2wayの「SX−WD5」が発売になっている。
   ウーハー口径が11cmになり低域レンジがさらに拡大、
   2cmウッドドームとのコンビネーションとなっている。
   どんな音になっているのか、期待が持てる。
   シルバースタジオ1よりいい音だったらどうしよう・・・
   あぁ聴くのが怖い・・・。