AV - eye
   
ここはエディが思いついたAV機器に関する妄想・体験について語ったり、新製品についてコメントしたりするところです。

ビクター新アンプ&DVD体験会レポ

(2003.7.31)


日本ビクターは、少人数でAV機器をじっくり体験できるイベントを
定期的に開催しており、私は以前から度々お世話になっている。
今回は新モデルの薄型AVアンプ、DVDオーディオ/ビデオプレイヤーを
中心とする体験会に参加したので、その様子を語ってみる。


  ― 新AVアンプとDVDオーディオ/ビデオプレイヤー ―


XV−A77
売価 \32,000前後

RX−ES1
定価 \56,000

今回の体験会の主役である薄型AVアンプとDVDオーディオ/ビデオプレイヤーについて説明する。

まずAVアンプ「RX−ES1」は、最大の特徴は「DEUS」と呼ばれる
独自の高音質デジタルアンプを採用したことだ。
デジタルアンプは高効率・大出力を実現するものとして期待されていたが、
音質の点で成熟したアナログアンプにはかなわないという評もあった。
そこでビクターでは、フィードバック技術をデジタル領域・アナログ領域の両方で
行うことで歪を激減させる「ハイブリッド・フィードバック」技術によって、
「高音質なデジタルアンプ」を謳える商品の開発に成功したという。
フィードバック(帰還)技術は低ひずみ化には必須の技術で、良くなるのもうなずける。
メーカーは明らかにしなかったが、デジタルアンプで有名な他社と比べて
1桁以上小さい歪率を達成したというから驚きだ。
また帰還は出力インピーダンスを小さくする効果があり、つまり
スピーカーの特性に左右されず安定したドライブ能力を発揮できる。

また聴きたい場所で手をたたくだけで、センターとリアスピーカーのディレイタイムと
音量レベルを自動設定してくれる「スマート・サラウンド・セットアップ」も面白い。
他にAACやプロロジUのデコーダー、独自の音場生成DAPを搭載するほか、
DVDオーディオ用の5.1入力、D端子、FM/AMチューナーなども搭載。

DVDオーディオ/ビデオプレイヤー「XV−A77」は非常に力の入った製品。
マルチディスク再生ということで、RAM・RW・Rの再生に対応。
またWMA・MP3・JPEGなどが記録されたディスクも再生できる。
192kHz/24bit対応PEM・DDコンバーター を搭載し、DVDオーディオディスクを高音質再生。
通常のCDも2倍にアップサンプリングして再生周波数帯域を広げてくれるのも嬉しい。
字幕のスダレ現象が発生しない「ダイレクト・プログレッシブ」はそのままに、
映像DACを12bit/108MHzに向上。高精細と低ノイズを両立した映像が期待できる。

2機種に共通しているのが、スリムでスタリッシュなデザインだ。
当日は上の画像のように、2つ重ねて鎮座ましましていらしゃった。
実機を目の当たりにすると、紫のランプがぼやーっと光り、画像よりも断然美しい。
AV機器業界で今もっともスタイリッシュなアンプとDVDのペアだと
言ってもよいと思った。この見てくれは、、、ソソる!

  ― まずは入門者向けスピーカーでGO ―

  まずは入門者向けのスピーカーで視聴スタート。
  「SP−X103」は6cmフルレンジ×2発、
  「SP−DW103」は17cmコーン&100Wアンプを
  搭載したサブウーハーだ。
  ソフトは「スコーピオンキング」「エネミーライン」。
  価格から想像していたレベルよりも楽しめた。
  5本同一のスピーカーということでまとまりがある。
  ウーハーが頑張る。かなり迫力が感じられて○。
  ただ密度感とか、音の厚みという点では価格「それなり」
  という感は否めない。ただ、「それなり」には楽しめるので
  ターゲットを絞れば、十分用を足すだろう。
SP−X103
定価 \13,000
SP−DW103
定価 \24,000

  ― 本格的スピーカーでGO ―

  次はフロント・センターを「SX−LC33」に、
  リアを「SX−L33」に変更(ウーハーはそのまま)。
  「SX−LC33」はコーン位置をセンターからずらして
  駆動する「オブリコーン」。14.5cm径のものを搭載。
  ツイーターは1.9cmのピュアアルミに純金プレーティングを
  施したドーム型で、80kHzまでの再生を可能とする。
  ソフトは「エネミーライン」「イーグルスライブ」。
  一気に音の厚み・迫力・密度感が向上する。すごい。
  やっぱさっきのは「それなり」だったんだなー。
  ミサイルや戦闘機の轟音や、臨場感が違う。
  サラウンドならこれくらいのレベルは欲しい。
  売れてるというのも分かるね。
  ウーハーはさきほどと同じ「SP−DW103」なのだが、
  ガンガンパワーが入る。安い割には非常に頑張る。
SX−LC33
定価 \40,000(1本)

  ― DDスピーカーでGO ―

  5本のスピーカーを「SX−XD303」にチェンジ。
  これはビクター独自のDDスピーカーで、
  幅1cm×9.5cmの棒状振動板を用いたスピーカーだ。
  音が全方位にほぼ均一に放射されるので、
  自然な音場の広がりが得られるという特徴がある。
  ただこの小さい振動板ではいかんせん低音が出ないので、
  必ずウーハーが必要となる。
  ジャズの5.1ソフトを視聴。
  確かに自然な音場だ。ピアノの音も自然な感じがした。
  ヤマハのシネマDSPなどがなくてもいいかもしれない。
  ウーハーのボリュームが大きめだったのが残念。
  これで映画を見てみたかった。ただ、音場感はいいが、
  迫力とか密度感だとLC33シリーズに軍配が上がる。
SX−XD303
定価 \66,000


  ― んで、アンプはどうよ? ―

  3種類のスピーカーをよく鳴らしていたと思う。
  LC33シリーズの本格的スピーカーもよく制動できていた。
  デジタルアンプ独特の音という感じはまったくせず、
  アナログアンプとの音質差は分からなかった。
  私は眉間にしわを寄せて重箱の隅をつつくような音楽の聴き方は得意ではなく、
  楽しく聴ければよいという感じで、つまりオーディオマニアではなく
  オーディオファンな訳なのだが、そんな私が聴くところでは、
  RX−ES1は十分な音質とパワーを備えていたと思う。

  また拍手1発でスピーカー設定ができる機能が実演されたが、
  本当に拍手1発、しかも一瞬で調整が終わる。
  BOSEやパイオニアなどでも同様の機能があるが、時間がかかる。
  ES1のこの手軽さ(調整項目も少ないが)は魅力的だ。

  また某サイトのレビューで、「ジーという動作音がする」「発熱がすごい」と
  いう記事があったので確認してみた。
  動作音は、本体から20cm位に耳を近づけると、少し聞こえてくる。
  しかしそれ以上離れると検知できない。エアコンをつけていたら全く聞こえない。
  アナログアンプのように無音な訳ではないが、実使用上は全く問題がない。
  発熱については、そりゃああるが、アナログアンプもかなり発熱があるわけで。
  「発熱がすごい」とは言い過ぎだ。「まあこんなものかな」と思える程度だった。
  ハイパワーで1時間以上使用した後でこの状態、問題はないのではと思う。

  はっきり言って、アンプは欲しい。できるならDVDとセットで欲しい。
  音質的に問題無いし、何よりスタイリッシュだ。今すぐ彼女にしたい。
  そして安い。ビクターやるねぇ。いつ買おっかなっ♪


閉じる