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ここはエディが思いついたAV機器に関する妄想・体験について語ったり、新製品についてコメントしたりするところです。

薄型AVアンプが欲しい!

(2003.7.13)


年々肥大化するAVアンプ。肥大化するのにも理由はあるが、
DVDプレイヤーが薄型になり、フラットパネルディスプレイが好調な時代、
「デカイ、重い」コンポーネントがそぐわないのは明らか。
今回はスタイリッシュな薄型AVアンプに注目してみたい。


  ― 肥大化するAVアンプ ―

近年、AVアンプは大型化の一途を辿っている。1980年代からAVアンプは存在したが、
当時のドルビーサラウンドは、センター・リアの情報をアナログマトリクスを用いて
2chに収録したもので、セパレーションなども今ひとつだった。あくまでフロントLRが
メインとして鎮座し、リアはモノラルのうえに周波数帯域も7kHzまでに制限され、
「とりあえず音が出る」というレベルで、リア用のアンプの出力も小さく済んだ。

しかし1995年のドルビーデジタルの登場によって、5.1チャンネルを全く同じスペックで、
かつディスクリートで収録することが可能となったのを受けて、
「5チャンネルは同一のパワーレスポンスを備えてなければならない」
という風潮が巻き起こった。これによって、AVアンプは電源部やヒートシンクなども
これに合わせた大型のものが使われるようになった。

スーパーオーディオCD、DVDオーディオといった高音質音楽ディスクの登場で、
これを十全に再生し得る能力が要求されるようになった。
アンプとしての基礎的な音質の競争が行われたこともあって、さらに物量の投入が進んだ。
さらに近年はDVDのための色差(Y、Cr、Cb)入力、D端子まで装備するなど、
接続端子数の増加による背面基盤の逼迫も関係している。

  ― 時代にそぐわないAVアンプ ―

と、AVアンプは主に音質の向上を追い求め、ひた走ってきたわけだが、
ふと気づいてみると、ある点では「時代に取り残されている」感が出てきた。

「デカい」

のである。近年の薄型でスタイリッシュなDVDプレイヤーと横に置くと、それは一目瞭然。
AVアンプとDVDプレイヤーを発売しているパイオニアを例に取ろう。


パイオニア VSX−D912
定価 \75,000



パイオニア DV−353
売価 \14,000前後

なんと!DVDプレイヤーが3つ重なって追いつく!
DVDは55mmという薄さなのに対し、AVアンプは158mmの厚さ(笑)である。
これではせっかくのスタイリッシュなDVDが台無しというものである。
プラズマが壁にかかり、薄型DVDプレイヤーが優雅に鎮座しているなかで、
このAVアンプのデカさは一種異様な感じすらする。
いくら音が良いと言って、やり過ぎだろう??ハイエンドを見ると、
高さ216mm、30kgもある、思わず「バカモン」と言いたくなるAVアンプもある。
要するに、AVアンプももう少し薄くあって欲しいのである。

出力ワット数も各ch100W以上が常識となっている感すらあるが、
そんな必要なのか。家庭用としては10Wも使えば大音量だと言う。
余裕を持ってスピーカーをドライブできるのはいいけど、
余裕持ち過ぎじゃないか。50Wもあれば十分だろう。
真空管アンプが高々十数ワットの出力なのに持てはやされているのが滑稽だ。
消費電力を減らす方向の電機業界において、AVアンプは思いっきり逆流している。
それに体積・重量がかさばるのは運搬・保管の際も効率が悪い。

AVアンプは音質の向上ばかりを気にかけていて、
部屋の雰囲気を壊し、地球に迷惑かけっぱなしの”自己チュー”なのである。

  ― 薄型AVアンプ5選手の紹介 ―

というわけで、私も薄型AVアンプが気になりだした。
今回は高さ10cm以下のAVアンプを取り上げ、音質(良いに越したことはない)、
対応フォーマット、DSP音場処理、発展性、デザイン、独自機能などに注目して比較してみた。
なお全ての機種がドルビーデジタル・DTS・プロロジU・AACのデコード機能を備える。

SONY
TA-SL5

(売価 \21,000程度)
増幅形式
 アナログ
総合出力
 35W×5=175W
音声入力
 デジタル3、アナログ4
寸 法
 430W×63H×289D
重 量
 4.5kg
総合で175Wという出力はまずまずか。
アンプに関する音質的なPRは特にない。
ソニーお得意の映画館音場再現技術である
デジタルシネマサウンドを3モード搭載。
デザインはいかにも安っぽい。
弱点もないが、特にソソられる点もないモデルという気がする。

ONKYO
SA-L3

(定価 \40,000)
増幅形式
 アナログ
総合出力
 28W×5=140W
音声入力
 デジタル3、アナログ6
寸 法
 435W×81H×377D
重 量
 6.0kg
今回のモデルの中では最も非力だが、140Wもあれば十分。
アンプとしてはワイドレンジを実現する「WRAT」を採用。
端子数が多い。サラウンドではストレードデコードに徹する。
デザインは凹にラウンドした前面のアルミパネル、
シンプルなルックスがグッド。
小音量時に最適な音質にするという「アコースティク・
コントロールスイッチ」という機能が興味深い。
シンプル&ハイセンス&高音質というウェルバランスが魅力的だ。
本機は映像端子を搭載していないが、映像端子が欲しければ
5万円のTX−L5がある。映像端子を搭載する以外は全く同じだ。

PIONEER
VSA-C555

(定価 \47,000)
増幅形式
 アナログ
総合出力
 40W×5=200W
音声入力
 デジタル4、アナログ5
寸 法
 420W×65H×324D
重 量
 4.8kg
アンプ自体に関しては特に何もアピールされていない。
デコード関係で注目なのは「バーチャルサラウンドバック」だ。
6.1chのサラウンドバックをバーチャルで再生する機能だ。
ただこれは、私の現在のAVアンプにもある機能だが、
はっきり言って要らない。というか違いが微妙。
ヘッドフォンでサラウンドが楽しめるのも使い勝手が良い。
DVD再生でもアドバンストサラウンドモードがあり、
より音場を拡大して楽しめる。
デザインではブルーのハーフミラー仕上げが美しい。
ONKYOと反対に、多機能が売りのモデルと言えるだろう。

Victor
RX-ES1

(売価 \56,000)
増幅形式
 デジタル
総合出力
 100W×5=500W
音声入力
 デジタル3、アナログ4
寸 法
 435W×69H×330D
重 量
 6.5kg
デジタル増幅を用いたアンプだ。デジタルとアナログ、
両方の領域でフィードバックを行う。これによって
高効率・省スペース・高音質を同時に実現したとする。
確かにこの薄さで各ch100Wもあるのはすごい。
入出力端子が豊富なのが特筆で、
映像系はS端子、D端子まで装備する他、5.1入力も
あり、DVDオーディオも楽しめる。手を叩くだけで
スピーカーのレベル調整が終わる機能も面白い。
他サイトのレビューでも音質、使い勝手の点で好評だった。
ただ本体からの「ジー」という騒音が気になるらしい。
デザインは質感のあるフロントパネル、なかなかだ。
高音質・大出力のデジタルアンプというのが売りだろう。

Panasonic
SA-XR10

(定価 \64,800)
増幅形式
 アナログ
総合出力
 100W×6=600W
音声入力
 デジタル2、アナログ4
寸 法
 430W×52H×324D
重 量
 3.5kg
こちらもデジタルアンプ。独自のローノイズ化技術や、
ゲインを可変とする機能などによって高音質化したという。
各ch100W、これは定格出力なので、最大出力では120Wを越える。
6chのアンプを搭載しているが、1chはサブウーハー用、
アンプとしてはあくまで5.1再生のモデルだ。
音場を作るDSPなどはないようだ。
デザインとしては業界最薄、クールなデザインが売りだ。
ただ私としてはここまでやらんでも・・・と思ってしまうが。
大出力とこの薄さが売りというだろう。

  ― 貴様はどれにするんだ ―

う〜ん、「シンプル&ハイセンス&高音質」のオンキョー、
「高音質なデジタルアンプ」を標榜するビクターが気になる。
私は最近、休日は隣の部屋の人がいないので、やや大音量でAVを楽しんでいる。
オンキョーでは非力かな?と少し心配になる部分がある。
そうすると大出力を有するデジタルアンプのビクターが浮上するが、
動作音がするって言われちゃあ困るね。まあ私の場合、
ラックに入れてしまえばそんな聞こえないかな。店頭で確認しなければ。
パワーの点の心配がなければオンキョーかなぁ。う〜ん。


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