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ここはエディが思いついたAV機器に関する妄想・体験について語ったり、新製品についてコメントしたりするところです。

トールボーイスピーカーがやってきた!

(2003.6.25)


近年のホームシアターブームに乗っかって、トールボーイスピーカーが一気にブレイクした。
以前は「高級で高価で大きい」だったものが、「安価でスリムで音もいい」ものに変貌した。
実は私も最近、トールボーイスピーカーを衝動買いして(笑)トールボーイデビューを果たした。
今回はトールボーイスピーカーについて考察し、安価なものを中心にいくつか紹介してみようと思う。


  ― トールボーイって何ですか ―

 そもそもスピーカーは大きく分ければ3種類ある。

  1.ブックシェルフ型
  2.トールボーイ型
  3.フロア型

 「ブックシェルフ」
というのは「本棚」、つまり本棚の棚と棚の間に置けてしまうような
 小さいサイズのスピーカーのことを言う。普通は16cm以内のウーハーを積んだ2Way機だ。
 「ウーハーのサイズがいくつ以上がブックシェルフ」という基準は特に定義されておらず、
 20cmのウーハーを積んだスピーカーでもブックシェルフと呼ぶ場合がある。
 リスナーの耳の高さに合わせるため、スピーカースタンドを用意する必要がある。
 小気味のいい低音と、キャビネットが小さいので音場感を出せる。

 「フロア型」は、文字通り床に置いて使うような大型のスピーカーだ。
 通常25cm〜30cm、ハイエンドでは38cmといった大型のウーハーを搭載し、
 低音から高音までフルに再生することを狙ったものである。
 一般的には価格も100万以上といった高価なものになる。
 ウーハーだけでなくキャビネットも大きいので、朗々とした低音や
 優れた迫力が得られる場合が多い。

 「トールボーイ型」というのは直訳すれば「のっぽの男の子」ということになる。
 ブックシェルフとフロア型の中間と解すればよい。
 横幅はブックシェルフ並みに狭く、高さはフロア型並み。
 10cm〜20cm程度のウーハーを搭載、時にダブルウーハー構成となる。
 フロア型ほどの大きなウーハーは搭載できないが、キャビネット容積は確保できるので
 低音はかなり良く出る。その割りに底面積・体積が少ないので、設置が容易だ。

  ― なぜトールボーイがブレイクしたのか? ―

 今やトールボーイ全盛期だ。どのスピーカーメーカーも
 トールボーイスピーカーを中心に製品ラインナップを揃えている。
 トールボーイは何も最近登場してきたのではなく、以前からあった。
 消費者の目が注がれるようになったのが最近ということだ。
 
 そのきっかけは何かといわれれば、近年のホームシアターブームだ。
 映画再生においては、効果音やセリフを良く聴かせるために低音再生が重要である。
 フロア型を買おうと思うと、高価で設置も大変だ。
 ブックシェルフでは低音を十分再生できないしスピーカースタンドも買う必要がある。
 低音重視ならウーハーを買えばよいが、場所取るし。
 だったらトールボーイを買えば、スタンドは要らないし、低音も結構良く出るし、
 スリムでなかなかスタイリッシュじゃない? という流れだ。
 トールボーイは、設置面積ではブックシェルフと同等であり、
 2万近くするスタンド込みのお値段と思えば割安感もある。
 そこに消費者が目を付けたわけだ。

  ― ローエンドの注目5選手 ―

※画像は原寸法にかなり忠実です
SONY
SS-MF360H
YAMAHA
NS-10MMF
DENON
SC-T33
ONKYO
D-207F
PIONEER
S-LM3-LR
メーカー
   ソニー    ヤマハ    デノン   オンキョー   パイオニア
価 格
 \25,000  \35,000  \36,000  \40,000  \40,000
形 式
 2Wayバスレフ  2Wayバスレフ  3Wayバスレフ  2Wayバスレフ  2Wayバスレフ
ウーハー
 13cm×2  9cm×2  12cm×2  10cm×2  10cm×2
ツイーター
 2.5cmバランス  2.2cmバランス型  2.5cmソフト+ダイ
レクトドライブ型
 2.5cmソフトドーム  2.0cmドーム
再生帯域
 50Hz〜50kHz  55Hz〜35kHz  40Hz〜90kHz  40Hz〜40kHz  42Hz〜40kHz
能 率
 87dB  86dB  90dB  85.5dB  85dB
横 幅
 175mm  179mm  175mm  162mm  180mm
高 さ
 850mm  899mm  800mm  900mm  955mm
重 量
 11.0kg  9.8kg  14.6kg  11.5kg  11.0kg

ソニーの「SS−MF360H」は最近発表され、近日発売される予定のモデル。
ウーファーはケブラー繊維を用いたハイブリッド素材で強化されたものらしい。
この中では最も大きな13cm口径のウーハーなのに、思いのほか低域が伸びていないね。
50kHzまでの高域再生が可能という「ナノファイントゥイータ」と組み合わせている。
ペアで25,000円とは、ソニーらしからぬ安さだね。
そしてデザインもソニーらしからぬダサさ。ちょっと抵抗がある。

最も豊富なトールボーイのラインナップを誇るヤマハの「NS−10MMF」
9cmのウーハー2発ながら、55Hzからの再生を可能にする。
横幅は底のスタンドも入っての寸法で、実際の横幅はかなりスリムだ。
なかなかスタイリッシュではないだろうか。

近年オーディオも視野に入れ、広帯域再生を重視するデノンの「SS−T33」
この価格帯ながらスーパーツイーターも装備、実に90kHzまでをカバーする。
グラスファイバーを用いた12cmウーハーを2発搭載、低音も頑張りそうだ。
14.6kgという重量は、キャビネットがヤワでないということか。
高さが800mmというのは、私の実際使う状況を考えるとやや低い。
音場感を考えると、音像が耳の高さと一致あるいはやや上の方が有利なので、少し痛い。

オーディオ専業メーカーとしてホームシアターを積極的に展開するオンキョーの「D−207F」
高剛性・高内部損失・軽量を高い次元で実現する「A−OMF」振動板を用いたダブルウーハー。
10cm径ウーハーながら40Hzからの再生を可能としている。
リアルウッド突き板仕上げを施したキャビネットもきれいで、見た目も○。

プラズマディスプイレイの好調を足がかりにオーディオにも力を入れるパイオニアの「S−LM3−LR」
ツイーターをウーハーで挟んだ、いわゆる「仮想同軸方式」を採用。
音像定位が明瞭で聴きやすい方式と言われる。
また、1m近い高さも加わって、音場感も有利だろう。
グレーのサランネットが美しい。あと底のスタンドもあった方がカッコイイ。

  ― 貴様はどれにするんだ ―

低音再生を重視するとヤマハが脱落。
スタイリッシュさを求めるとソニー脱落。
高さが欲しいのでデノン脱落。
オンキョーとパイオニアの一騎打ちだ。

冒頭にも言ったんですが、実はもう買っちゃったんですよ。
パイオニアの「S−LM3−LR」
近所のヨドバシで展示品が処分特価となっていたので、めでたくご購入しましたー。
スタイリッシュで作りもしっかいしていて、音もよい!買ってよかった!
当ページの「ホームシアター」をご覧下さい!(ココ)実にスタイリッシュ!
詳しい使用レポートはもう少し使ってから報告します。
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