― トールボーイって何ですか ―
そもそもスピーカーは大きく分ければ3種類ある。
1.ブックシェルフ型
2.トールボーイ型
3.フロア型
「ブックシェルフ」というのは「本棚」、つまり本棚の棚と棚の間に置けてしまうような
小さいサイズのスピーカーのことを言う。普通は16cm以内のウーハーを積んだ2Way機だ。
「ウーハーのサイズがいくつ以上がブックシェルフ」という基準は特に定義されておらず、
20cmのウーハーを積んだスピーカーでもブックシェルフと呼ぶ場合がある。
リスナーの耳の高さに合わせるため、スピーカースタンドを用意する必要がある。
小気味のいい低音と、キャビネットが小さいので音場感を出せる。
「フロア型」は、文字通り床に置いて使うような大型のスピーカーだ。
通常25cm〜30cm、ハイエンドでは38cmといった大型のウーハーを搭載し、
低音から高音までフルに再生することを狙ったものである。
一般的には価格も100万以上といった高価なものになる。
ウーハーだけでなくキャビネットも大きいので、朗々とした低音や
優れた迫力が得られる場合が多い。
「トールボーイ型」というのは直訳すれば「のっぽの男の子」ということになる。
ブックシェルフとフロア型の中間と解すればよい。
横幅はブックシェルフ並みに狭く、高さはフロア型並み。
10cm〜20cm程度のウーハーを搭載、時にダブルウーハー構成となる。
フロア型ほどの大きなウーハーは搭載できないが、キャビネット容積は確保できるので
低音はかなり良く出る。その割りに底面積・体積が少ないので、設置が容易だ。
― なぜトールボーイがブレイクしたのか? ―
今やトールボーイ全盛期だ。どのスピーカーメーカーも
トールボーイスピーカーを中心に製品ラインナップを揃えている。
トールボーイは何も最近登場してきたのではなく、以前からあった。
消費者の目が注がれるようになったのが最近ということだ。
そのきっかけは何かといわれれば、近年のホームシアターブームだ。
映画再生においては、効果音やセリフを良く聴かせるために低音再生が重要である。
フロア型を買おうと思うと、高価で設置も大変だ。
ブックシェルフでは低音を十分再生できないしスピーカースタンドも買う必要がある。
低音重視ならウーハーを買えばよいが、場所取るし。
だったらトールボーイを買えば、スタンドは要らないし、低音も結構良く出るし、
スリムでなかなかスタイリッシュじゃない? という流れだ。
トールボーイは、設置面積ではブックシェルフと同等であり、
2万近くするスタンド込みのお値段と思えば割安感もある。
そこに消費者が目を付けたわけだ。
― ローエンドの注目5選手 ―
※画像は原寸法にかなり忠実です
SONY SS-MF360H
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YAMAHA NS-10MMF
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DENON SC-T33
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ONKYO D-207F
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PIONEER S-LM3-LR
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メーカー |
ソニー |
ヤマハ |
デノン |
オンキョー |
パイオニア |
価 格 |
\25,000 |
\35,000 |
\36,000 |
\40,000 |
\40,000 |
形 式 |
2Wayバスレフ |
2Wayバスレフ |
3Wayバスレフ |
2Wayバスレフ |
2Wayバスレフ |
ウーハー |
13cm×2 |
9cm×2 |
12cm×2 |
10cm×2 |
10cm×2 |
ツイーター |
2.5cmバランス |
2.2cmバランス型 |
2.5cmソフト+ダイ レクトドライブ型 |
2.5cmソフトドーム |
2.0cmドーム |
再生帯域 |
50Hz〜50kHz |
55Hz〜35kHz |
40Hz〜90kHz |
40Hz〜40kHz |
42Hz〜40kHz |
能 率 |
87dB |
86dB |
90dB |
85.5dB |
85dB |
横 幅 |
175mm |
179mm |
175mm |
162mm |
180mm |
高 さ |
850mm |
899mm |
800mm |
900mm |
955mm |
重 量 |
11.0kg |
9.8kg |
14.6kg |
11.5kg |
11.0kg |
ソニーの「SS−MF360H」は最近発表され、近日発売される予定のモデル。
ウーファーはケブラー繊維を用いたハイブリッド素材で強化されたものらしい。
この中では最も大きな13cm口径のウーハーなのに、思いのほか低域が伸びていないね。
50kHzまでの高域再生が可能という「ナノファイントゥイータ」と組み合わせている。
ペアで25,000円とは、ソニーらしからぬ安さだね。
そしてデザインもソニーらしからぬダサさ。ちょっと抵抗がある。
最も豊富なトールボーイのラインナップを誇るヤマハの「NS−10MMF」。
9cmのウーハー2発ながら、55Hzからの再生を可能にする。
横幅は底のスタンドも入っての寸法で、実際の横幅はかなりスリムだ。
なかなかスタイリッシュではないだろうか。
近年オーディオも視野に入れ、広帯域再生を重視するデノンの「SS−T33」。
この価格帯ながらスーパーツイーターも装備、実に90kHzまでをカバーする。
グラスファイバーを用いた12cmウーハーを2発搭載、低音も頑張りそうだ。
14.6kgという重量は、キャビネットがヤワでないということか。
高さが800mmというのは、私の実際使う状況を考えるとやや低い。
音場感を考えると、音像が耳の高さと一致あるいはやや上の方が有利なので、少し痛い。
オーディオ専業メーカーとしてホームシアターを積極的に展開するオンキョーの「D−207F」。
高剛性・高内部損失・軽量を高い次元で実現する「A−OMF」振動板を用いたダブルウーハー。
10cm径ウーハーながら40Hzからの再生を可能としている。
リアルウッド突き板仕上げを施したキャビネットもきれいで、見た目も○。
プラズマディスプイレイの好調を足がかりにオーディオにも力を入れるパイオニアの「S−LM3−LR」。
ツイーターをウーハーで挟んだ、いわゆる「仮想同軸方式」を採用。
音像定位が明瞭で聴きやすい方式と言われる。
また、1m近い高さも加わって、音場感も有利だろう。
グレーのサランネットが美しい。あと底のスタンドもあった方がカッコイイ。
― 貴様はどれにするんだ ―
低音再生を重視するとヤマハが脱落。
スタイリッシュさを求めるとソニー脱落。
高さが欲しいのでデノン脱落。
オンキョーとパイオニアの一騎打ちだ。
冒頭にも言ったんですが、実はもう買っちゃったんですよ。
パイオニアの「S−LM3−LR」。
近所のヨドバシで展示品が処分特価となっていたので、めでたくご購入しましたー。
スタイリッシュで作りもしっかいしていて、音もよい!買ってよかった!
当ページの「ホームシアター」をご覧下さい!(ココ)実にスタイリッシュ!
詳しい使用レポートはもう少し使ってから報告します。
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