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「ホームシアター」に載せた通り、僕は既にVictorの「HM−HD1」を購入してしまった。 「HM−HD1」自体については「ホームシアター」の使用レポートを御覧頂きたい。 さて、前回はHDDレコーダーについて概説したが、今回は実際のHDDレコーダーの比較を行う。 製品の使用レポートなどは、他のHPで詳しいものがあったりするが、 本コーナーでは他機との比較をするということを念頭において分かりやすく述べていきたい。 HDDレコーダーはここ数ヶ月で一気に製品群が多様化してきて、 1つのジャンルでくくるのが難しくなってきている。 今回は調査依頼を受けた方の都合で、DVDとのハイブリッド機は除きHDDレコーダー単体で、 地上波チューナーを搭載し、地上波をメインに視聴するユーザー向けの製品に限定した。 また、HDDレコーダー自体が持つ特長以外で、HDD容量、記録モードの種類つまりはビットレート、 接続端子、独自機能、デザインなどに注目してレポートしてみた。 なお実勢価格はおおよそなので、購入をお考えの方は販売店にお問い合わせ願いたい。
最近はコジマ電機や、日曜大工店でも扱う店があり、知っている諸兄もいるだろう。 そしてこの製品はコジマ電機でしか取り扱っていない(と思う)。 HDD容量は40GB。記録形式は可変ビットレート、録画モードはHQ、SP、LPの3種類。 しかし各モードでのビットレートは不明。HQで12.5時間、LPで35時間録画できるので、 逆算するとHQで7Mbps、SPで4Mbps、LPでは2.5Mbps程度だろう。 HQはよほど派手な歌手のステージでもなければ大丈夫だろう。SPでは一気にビットレートが落ちてしまい、 劣化が目に付くだろう。普段はHQを常用することになるだろうか。 出力端子はS端子付きが2系統、入力がS端子付き1系統。i−LINKやD端子は非搭載。 EPGが非搭載なのは致し方ないが、Gコードも非搭載! 予約プログラムは8件、これは少ない。録っては消す、というスタイルを提供するHDDレコーダーでは、 1週間のうち見たい番組をいつも予約しておくものだ。1日2つの番組を録画したい人にとっては困ってしまうのだ。 チョット見バック、CMスキップ等は一通りあるようだ。 曲線を取り入れたデザインはまずまずかな。 色がシャンパンゴールドというのは、ちょっとブームは過ぎた感がするが・・・。 本機は、これといった独自機能はないが、HDDレコーダーとしての一通りの機能を備えた廉価機。 予約プログラムが少ない、Gコードがない、HQでもビットレートがやや少なめ?という点を除けばお買い得機か。 詳しい使用レポートが他のHPであったので、御覧下さい。⇒ こちら。
記録形式はVBR、録画モードはSP(8.4Mbps)、LP(6.4Mbps)、EP(3.2Mbps)、SEP(2.2Mbps)の 4種類で、VBRで8M以上あれば、まず地上波の録画には不足はない。 SPでは10時間、SEPでは40時間の録画ができる。 出力・入力ともS端子を含むものが2系統、i−LINKやD端子は非搭載。 本機には編集のための「番組保存ナビ」「簡単編集マルチダビング」があり、 番組を編集したものあるいはDVなどを取り込んでHDD上で編集したものを 手持ちのビデオデッキで録画するなどということを想定しているようだ。 音楽番組などで、自分のお気に入りのアーティストの部分だけをVHSに残したい時などに有効だ。 音声付き1.5倍速再生機能があり、ニュースなどの視聴に便利か。 Gコードを搭載するが、EPGは非搭載だ。予約プログラムは32、十分。 デザインは、コストダウンの影響をモロにかぶって樹脂製。 色使いは落ち着いた感じを出しているのか、あまり主張のないデザイン。 形状とか、ボタンの配置などはいいのだけど、もう1ひねり欲しい。 発売が2001年9月とあって、スペック的には見劣りする部分が出てきたが、 ターゲットとしているユーザーからすれば「要らないものがなくて、却って安く買えて助かる」製品だ。 必要なものは揃っていて、うまいまとめ方をした製品。単体での編集機能や早聞き機能も独自のもの。 私は「フジヤAVIC」というお店で\39,800にて買いました。 詳しい使用レポートは当サイトのこちらを御覧下さい。
記録形式は可変ビットレートで、録画モードは3種類、SP(6Mbps)、LP(3.7Mbps)、EP(2.8Mbps)だ。 最高で6Mbpsというのは少ない!少なくともワイドテレビで音楽番組を見る人には勧められない。 LPモードでは普通に見る番組でも劣化が目に付きそうだ。 SPでは25時間、EPでは55時間の録画ができる。チューナーは地上波のみ。 出力・入力端子ともS端子を含むものが2系統、i−LINKやD端子は非搭載。 EPGを搭載、番組表を見ながら確実に録画予約が行える。編集機能はない。 独自の機能で、「おまかせ・まる録」は、好みのジャンルやキーワード、時間帯を設定するだけで、 条件に合った番組をEPGから検索して自動的に録画してくれる。 音楽・ドラマ・スポーツといった5つのジャンルから、さらに国内ポップス・クラシック・ジャズなど 細かく分類したサブジャンルを選択可能。こういう“自動”機能というのは大体アホなんだけど、 大容量HDDがあれば、見たい番組は見ればいいし、要らない番組はすぐに消せば済む。 使いようによっては便利な機能だろう。 また、「カモン!マイキャスター」サービスというものがあり、パソコンや携帯電話から録画予約ができる! 出かけてから予約を忘れたことに気づいても、インターネットを利用して手軽に予約できるのだ。 ただしその性格上、インターネットへの常時接続環境が必要だ。が、通常の電話回線しか繋げないけど。 デザインは、特にいい材質を使っているということはないのだろうが、 さすがソニー、淡いホワイトにブルーのイルミネーションという洒落たカップリング。 本機は、「おまかせ・まる録」を使って地上波をドンドン録って、見ては消すという ヘビーユーザー向けの製品。画質については不安があるが、 おまかせ機能で番組をたくさん録るので、ビットレートを削ったのだろう。 またEPG、外部からの録画予約が欲しい人、デザイン重視の人には魅力的だろう。
録画モードが3種類あって、「高画質」「標準画質」「長時間」。 「高画質」は固定ビットレートで8Mbps、「標準画質」「長時間」はVBRでそれぞれ4Mbps、2Mbpsという 変わった構成。ユーザー設定で、VBRで最高7.5Mbps、CBRで最高15Mbpsの記録ができる。 CBRの8Mだと、動きの激しいシーンでは劣化が目に付くかもしれない。 また標準画質で4Mbpsというのは少ない。ユーザー設定をうまく利用する必要があるかもしれない。 ちなみに、「高画質」で20時間、「長時間」で76時間録画ができる。 チューナーは地上波のみだが、嬉しいゴーストリダクション機能付き。 入力端子がS端子を含むものが前面1・背面1の2系統、出力端子は1系統。 i−LINKやD端子は非搭載だが、LAN端子が装備されている。 本機で録画したものをLANを通じて他のPCでも見ることができる。 ただしその場合は100BASE-TXの環境を整備する必要がある。 本機の番組をPCに取り込むことに加え、付属のソフトで編集も可能。 DVD−RAMと大容量HDDを備えるPCがあれば、マイDVD作成にも使えるという訳だ。 EPGを搭載、録画予約件数は128もある。 フロントパネルはアルミの削り出しだが、イマイチ垢抜けないか。 本機は、やはりPCとの連携を考える人におすすめだ。 またゴースト低減機能があるので、ゴーストに悩まされている人にとっても魅力的。 詳しい使用レポートが他のHPであったので、御覧下さい。⇒ こちら。
記録形式は可変ビットレートで、録画モードは3種類、HQ(9Mbps)、SP(6Mbps)、EP(3Mbps)だ。 9Mbpsもあれば、どんなソースでも劣化なく録れる。SPモードでも普通に見る分には不満はないだろう。 HQでも35時間(!)、LPでは100時間(!!)の録画ができる。 容量限界があるのに変わりはないが、録画時間が長いのに越したことはないか。 そして本機は、地上波チューナー&MPEG2エンコーダーを2系統搭載。 録画中でも他のチャンネルを見たり、録画したいものが重なっても大丈夫だ。 出力・入力端子ともS端子を含むものが2系統、D端子出力も備える。i−LINKは非搭載。 LAN端子(10BASE-T)を装備。これは映像を取り出すには速度が不足気味なので、 外部からの録画予約等にADSLを接続するということを考えているのかもしれない。 EPGを搭載。ゴーストリダクションはないが、この価格なら搭載して欲しかった。 独自の機能で、「おまかせ・まる録2」がある。「CSV-S57」のものと比較して 録画する番組ジャンルを指定するキーワードを任意のものに設定できる。 例えば「宇多田ヒカル」と入力すれば、これに該当する番組をEPGから検索して自動録画してくれる。 さらに本機が自動的に録画したものに対し「気に入った」「気に入らない」とアクションしていくことで ユーザーの好みを学習していく「おすすめアルゴリズム」も搭載。だいぶ賢いやつである。 ここまでくると、「HDDレコーダー」というよりは「チャネルサーバー」という呼び方がふさわしい。 「CSV-S57」はHDD容量が少ないせいで画質を犠牲にしていて、製品としては中途半端と感じなくもないが、 本機は160GBもあるので画質を犠牲にすることなくどんどん録画できる。 また、「CSV-S57」と同様「カモン!マイキャスター」サービスがあり、PCや携帯電話から録画予約が可能。 デザインは、これまた「さすが」ソニー、パールホワイトの上質なエクステリア。 本機は、「おまかせ・まる録2」を使って地上波をドンドン録って、見ては消すという ヘビーユーザー向けの製品で、「CSV-S57」にはない「おすすめ機能」やダブル地上波チューナー、 高画質を求める貪欲なユーザー向けの製品。 詳しい使用レポートが他のHPであったので、御覧下さい。⇒ ひとつめ。 ふたつめ。 ― まとめ ―ちょっと前に、「将来は家庭にチャネルサーバーが置かれ・・・」という、将来の予想を耳にしていたが、今回、まさに発展途上にあるHDDレコーダーを調査して、ソニーの「Cocoon」はそれに近づきつつあると感じた。 チャネルサーバーの完成形は、TB(テラバイト)級のHDDを搭載して、例えば一週間分の番組を収め、 その中から番組を検索して視聴する、というものであるが、だいぶ近づいた。 デバイス的な点で言えば、あとはHDD容量の進歩を待つのみだろう。 HDDがTB級まで行けば、「録画モード」なんてなくなって、どれも最高画質で録画して、 番組数が天文学的に増えていく。すると、「ユーザーの欲しいコンテンツを的確に・迅速に検索する」という、 インターフェースの部分の改良が以前にも増して望まれるようにだろう。 さて今回取り上げた製品は、以下3つに大別できる。 @ベーシックで、現行のビデオデッキのリプレイスになるもの−(DAEWOO・Victor) APCとの連携を考えたもの−(NEC) Bチャネルサーバー的な性格を持ったもの−(SONY) どの製品を買うかは、自分が@〜Bのどれを欲しているのかと、予算との兼ね合いで決めてください。 Victorと「Cocoon」では3倍の価格差があるのか。。。う〜む。 でも一つだけ言わせてください。「HDD録画は便利!」 |