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ここはエディが思いついたAV機器に関する妄想・体験について語ったり、新製品についてコメントしたりするところです。

驚異のサウンド・BOSEマジック!!

(2002.12.22)



BOSE(ボーズ)のロゴは、オーディオファンのみならず、あまねく知れ渡っていると思う。
世界で最も有名・有力なスピーカーメーカーの一つだろう。
特に『小型でも力強い低音再生』を標榜し、そのサウンドは多くのユーザを魅了してやまない。
今回は私の『BOSEサウンド体験』を語ってみたい。


  101MM  \38,800、1982年発売

BOSEの出発点というべきモデルがこの「101」だ。その小さなサイズ
からは想像も付かない高い音楽再生能力と鳴りっぷりの良さで市場を
席巻、今までで100万台以上を売り上げたという大ヒットモデル。
店舗で使われているスピーカーはほとんどこのモデルなのではないかと
思うほどよく見掛ける。皆さんも「あ!見たことある!」と思うだろう。
ちなみに、このモデルはもともと日本市場のみでの発売だったらしい。
使用ユニットは11.5cm径のフルレンジ1発。
BOSEは、『1つのスピーカーで可聴帯域を十分カバーする』という条件を
満たすドライバとして、この「11.5cm」を選択したらしい。


  121  \49,800、1992年発売

「101」発売10周年を記念した高音質モデルが「121」だ。
11.5cm径フルレンジ1発というユニット構成はそのままに、
雲母を混入した振動板、豊かな響きを与えるMDFを使用した
キャビネット、流体力学を駆使したバスレフポートなどを採用した。
その音を聴いた時は、本当に驚いた。「こんな小さいスピーカーから
こんなにもスケールの大きな音が聴けるのか!」目を閉じて聴くと、
10cmそこそこのスピーカーが鳴っているようにはとても思えないのだ。
豊かな低音再生能力に舌を巻く。そしてボーカルの生々しさ、
楽器の音の粒立ちの良さ・・・非常にバランスが良く、気持ちよく聴ける。
このモデルは、2ウェイスピーカーなどを抑えて、数々の賞を独占した。


  AM−10U  \118,000、1998年発売

1995年のDVD発売以降、ドルビーデジタルやDTSといった
「マルチチャンネル・サラウンド」が普及し始めたが、同時に課題もあった。
「高品質なサラウンドをどのように実現するのか?」
高音質を実現するには、大きなスピーカーを5本揃えるのが一番だが、
それでは設置が大変だし、日本ではスペース的な事情も厳しい。
もっと簡単に高音質なシステムが構築できないのか?!
これに対するBOSEの解答がこのモデル(正しくはこの前身のAM-10だ)。
各チャンネルの低音をまとめてウーハーに一手に任せて、
中〜高音を5個の小さなキューブ(サテライト)スピーカーに分配する
ことで、臨場感溢れる音楽再生と、簡便な設置を可能とした。
ウーハーにはBOSE独自の「アクースティマス理論」を導入。
これはエンクロージャーの内部にユニットを配置、空気の振動・共鳴を
利用して重低音を再生するという技術。ユニットは空気を振動させるだけ、
小口径のもので済み、エンクロージャーを小さくできる。このモデルでは
ウーハーとしては小口径の13cm径のドライバを搭載していて、
随分とスリムなウーハーとなっていることがお分かりだろう。
サテライトは60mm径を2つつなげたもの、それぞれのユニットは左右に
首振りができ、サラウンド再生時に間接音を多くして響きを調節できる。
さてそのサウンドは、展示会のBOSEブースで聴いた。
最初はスピーカーが見えない設定で聴かされて、
カバーが外された瞬間に驚愕!!これほどの小さなスピーカーから、
あれほどのスケールの大きな音場が生成されていたのか!?
小さなユニットは点音源に近づくので、音場生成には有利なのだ。
そして豊かな低音。「これは売れる・・・」実際に大ヒット、
以降「ウーハー+サテライト」という構成のスピーカーセットが各社から
続々と発売され、1つのジャンルを形成してしまったのである。


  55WER  \98,000、2001年発売

近年の「フラットパネルディスプレイ」の普及は著しい。
そう、プラズマテレビや液晶テレビだ。
その薄さが「スタイリッシュだ」と消費者の支持を受け、高価ながらも
着実に売上を伸ばしている。しかし、スピーカーは遅れを取っていた。
「薄くなったテレビに合わせ、スピーカーも薄くしたら音まで薄くなった」
という状況。いい音を追求しようと、別にスピーカーを買うと
「せっかく薄いテレビを買ったのに、スピーカーが出っ張ってしまう」
という状況、あちらを立てればこちらが立たずという状況だった。
この問題に対するBOSEの解答がこの「55WER」だ。
見ても分かるが、横8.5cm、奥行10cmという超スリムスピーカーだ。
しかしこれで音が悪くては話にならない、BOSEは独自の技術を投入。
僅かな空気振動を管内部で共鳴させ、大きな音響エネルギーを得る
「アコースティック・ウェイブガイド・テクノロジー」だ。
57mm×4発を使って、迫力ある重低音を再生する仕組みだ。
フルレンジの57mmスピーカーも搭載して、計5発のユニットを搭載。
さてそのサウンド、これも展示会のBOSEブースにて視聴。
最初は55WERとサブウーハーのセットで聴かされた。
そこで、「ほう、スリムな割にはよく鳴ってるじゃない」と思っていたら、
ウーハーの箱は空っぽだった!!ジャズのベースを力強く再生して
いるのが信じられない。よくよく聴いても、低音にひ弱さは感じられない。
それでいてこのスリムでスタイリッシュなデザイン、プラズマテレビに
組み合わせるにはまさにぴったりのモデルだ。「これは売れる・・・」
実際に大ヒット、以降スリムスピーカーが各社から続々と発売された。


  3・2・1  \149,800、2002年発売

DVDが本格的に普及し、サラウンドという言葉が市民権を得た現在でも、
サラウンドを実践していない人は多い。その理由は、
『DVDでサラウンドを楽しみたいけど、設置が面倒!』
『私女の子だから、機械とか苦手。なんかサラウンドって敷居が高い』
『スピーカーケーブルが部屋を這うのは許せん!』
『スピーカー5個も置けません!』 といった具合だ。
「もっと簡単に、それでいて本格的なサラウンドを楽しめるシステム」
これに対するBOSEの解答がこの「3・2・1」だ。
ユニークな製品名だが、これは製品を象徴したネーミングで、
「ケーブルは3本、スピーカーは2個、操作はスイッチ1つ」ということ。
スピーカー2個で、サラウンドを実現させるための技術、それが
「イメージアレイ・スピーカー」と「4×4ボーズデジタル・プロセッサー」だ。
人間の聴覚は、音が左右の耳に達する時間差と音の強さによって
音の方向性を感じるという特性があり、それをこのモデルでは
独自のドライバ配置と独自の信号処理によって行っている。
スピーカーには実はユニットが2発あって、そして左右に少し角度を
つけて配置されている。これが味噌らしい。
入力信号は全て5.1ch化され、それをさらに4つのドライバ用に分配。
つまり4つの信号を4つのドライバで再生(4×4)している訳である。
低音はウーハーに任せている。これまた「アクースティマス方式」を採用、
コンパクトなエンクロージャーから迫力の低音再生を可能としている。
なおアンプとDVDが一体化したメディアセンターとリモコンが付属する。
さてそのサウンド、近所の電器店で聴く機会があった。
サーキットでのカーレースのデモ映像が流れていたが、
車のエンジン音が後ろに駆け抜けていく!!
後ろにスピーカーないんだよね??思わず振り返って確認してしまった!
「2つのスピーカーでサラウンド」という製品は以前からあったが、
それらの不自然さとは別物の、明確な音像定位。驚きだ。
ジャズも聴いたが、豊かな低音とサテライトの鳴りっぷりの良さ、
音楽再生も十分行ける。これなら欲しい。


BOSEのスピーカーは、いつも聴く人に驚きと感動を与えてくれる。
これらを称して、いつの日からか人は「BOSEマジック」と呼ぶようになった。
私もそれを味わった1人だ。まだBOSEの製品を買ったことはないが、
買う時が来るのも時間の問題だろう。あなたも、BOSEサウンドを一度味わえば、
必ずや「BOSEマジック」の虜になること間違いなしですよ!

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