ナイトシェイドのエキス精製法
著:グリーン=ヒル
訳:Yen-Xing
「ナイトシェイド」と呼ばれる魔法生物がいる。古の召喚術士が作り上げたという。属性は『魔』である。即時召喚が可能でそれなりの攻撃力を持ち、消耗品・戦闘スペルをその命と引き替えに打ち消す敵に回すと非常にやっかいな存在である。
近年、このナイトシェイドの能力をエキスとして取り出し一般的に使かえるようにする方法が発表された。
その名は「ナイトシェイドの涙」という
魔法生物が命と引き替えに発揮する特殊能力について「例え人造とはいえ命を奪ってまで使うのはいかがな物か」という意見も一部にはあり、当初、このアイテムはそういった人々にも歓迎された。また一般の召喚術士にも大いに喜ばれた。なぜならばその効果は消耗品や戦闘スペル対策として対象に無属性ダメージを与えるという対抗策を広げる物だったからだ。
その後、このアイテムの精製法が広まると評価は賛否両論に分かれた
なんと、ナイトシェイドを生きながらに鍋にぶち込み、ハーブと共に煮込む事によりエキスを取り出すという物だったからだ。10時間にわたりハーブや鷹の爪・トリカブトと共に煮込まれたナイトシェイドは当然その命を落とす。
その代わりトリカブトの毒性を兼ね備えたこのエキスは対象者に速やかにその毒を発揮するのである
そう、ナイトシェイドの呪いで有るかのように
現在の所、ナイトシェイドのみこういったアイテムが作られているがいずれ他の魔法生物でもこういったアイテムが作られるのは時間の問題であろう。
はたして、魔法の技術は如何なるレベルまでその禁忌を破り進んでいくのか? 召喚術士内での倫理委員会の設立も必要なのではないだろうか? いずれ考慮しなければならない問題であろう