深海の民マーメイド
著：トーレント＝ソール
訳：シスイ＝フロート
――マーメイド――
美しい女性の上半身に、魚類の下半身と、水中で生活できる、魚類のソレに近い呼吸器を持つ魔獣。
魔獣と言っても、性格は温厚で、非戦的。思考も人間に近いソレを持ち、魔術や魔導具を使う物も少なくない。
色々な意味で、森林のエルフ達と並んで、割と有名な亜人族であろう。
では、彼女達の文化について触れてみる事にしよう。
彼女達の姫君である真珠の人魚姫は、真珠の装飾品を身に付けている。
この事から彼女達に装飾品を纏うと言う文化があり、それを実行するだけの技術もあることになる。
他にも、マーメイド女王親衛隊の矛や、マーマン海洋三銃士の剣など、武器を作る技術も我々と
同等もしくはそれ以上のようだ、さらにマーマンには、聖歌隊や、吟遊詩人などの歌い手も存在し、
人間のソレと非常に近しい文化も多く有する物と思われる。
そんな、彼女（彼)らだが、一昔前には、生き血や、肉が不死の薬になるとされ乱獲されたり、
真珠の女王が持つ不死の秘術を得る為に、人間に捕獲され長い間虐げられていたのだ。
現在は減少しているそうだが……
さて、暗い話はこの位にして、次は彼女達の繁殖方法について語るとしようか、彼女達の繁殖方については、
正直な話不明だ。よって、これは推論であり、真実であるとは限らない事を、明記しておこう。
恐らく、彼女達は、あのままの姿で生殖する物と思われるが、一説によると、完全な魚になるとも、
人間になるとも言われている。
現にマーメイドが人間に恋をする（もしくはその逆の）話は、よく耳にする。そのままの場合は、
蛇などの様に普段は性器が、隠れている可能性もある。魚になる場合は……考えたくないので割合させて頂きたい。
なお、コレは私なりの解釈であり、確たる証拠がある訳ではないが、
この世界には真相を明かさない方が良い事も多々あると、だけ忠告しておこう。
何はともあれ、これからも、彼女達に平和と繁栄が続く事を願い、私の生態報告書とさせて頂きたい。
――某魔術学院図書館『四精霊調査論文』参照