*柚子茶*
(悠舜×黎深)
※ザビ短編「運命が出会う夜」をお読みになってからどうぞ。扉絵を元にしたSSです。
【1】
「おいしいですか? あなたはずいぶんと柚子茶が気に入ったようですね、黎深」
お茶代かわりに黎深が寄越したみかんを片手に、悠舜はふふふと笑った。
「ふん。――今ならおまえにも淹れてやらんこともないぞ」
どうしたことか、今日の黎深はずいぶんと機嫌が良いらしい。
「では、せっかくだから頂きましょうか」
とぽとぽとぽ……、とたどたどしい手付きで柚子茶を作る黎深を、悠舜は微笑ましい気持ちで眺めていた。彼が他人のために何かをするなど、初めて会ったときにはまったく想像もできなかったのに。
柚子茶を完成させた黎深は、その湯飲みを偉そうに差し出した。
「ほれ。ありがたく飲め!」
元々私の柚子茶なのだが、と思いつつ、茶飲みを受け取った悠舜は礼を言った。
「ありがとう、黎深」
そうして早速口を付ける。こくんと飲み干し、一瞬考え、悠舜はおそるおそる隣に座る友人に問いかけた。
「…………れ、黎深?」
「何だ」
「これ、すっごく、濃くないですか……? しかも砂糖追加して入れましたね!?」
「その方がうまい」
「……どうにも最近柚子茶の減りが早いと思ったら……」
見ていたときに止めれば良かった。というか、自分が淹れれば良かった。
はぁ、と溜息をついた悠舜は、同じ柚子茶を平然とした顔ですすっている友人に告げた。
「今度街に下りたときに、柚と角砂糖を買ってきましょうね……」
END.
ていうか、髪下ろし悠舜カッコよすぎ!!(笑) 由羅先生ありがとう〜v

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