■クリスマス2006■



「よし、準備はいいな、絳攸?」
「え…………、えぇ、まぁ………、一応……」
「何をトロトロしておるのだ。『となかい』役がそんなことでどうする!」
「……黎深様は『さんたくろぉす』だからいいですよね。主役らしいじゃないですか」
「当たり前だ。私が主役でなくてどうするのだ」
「……。でも黎深様、『さんたくろぉす』は、『くりすます』に、街のよい子たちに贈り物をして回る役なんですよ」
「? それがどうした」
「やけにやる気だなぁ、と思いまして。いつもの黎深様なら『そんな偽善的な福祉行為になど興味はない!!』とか言ってそうなのに」
「もちろんだ。街の貧しい子供らなどに一切興味はない」
「え。……でも、じゃあ、なんで……」
「なんで、だと? 絳攸お前、頭の中まで獣並になったのではあるまいな? いいか、『さんたくろぉす』は街のよい子たちに贈り物をするのだぞ。『さんたくろぉす』ならば、大手を振って秀麗に贈り物ができるではないか!!!」
「あ、あぁ……、なるほど……」
「分かったならとっとと軒を出せ」
「はい……。――――あ、あの、黎深様……」
「私は今から『さんたくろぉす』だ。どうした、『となかい』」
「……あの、よく考えたら俺、馭者、できません」
「なにぃ!!! そのくらい身に付けておけ、ばかもの!!」
「だって黎深様が、武芸はほとんどお教えくださらなかったんじゃありませんか!」
「……くっ。こんなことなら官吏になるための勉強などさせずに武芸をきっちり鍛えこめばよかった……っ!!」
「…………この『くりすます』、年に一度しかないんですけど…………」
「しゅ、秀麗ぃぃ〜〜〜〜!!! せっかく優しくて素敵な叔父さんが贈り物を届にいこうと思っていたのに〜〜っ。
 『秀麗、これが君への贈り物だよ』
 『ありがとうございます、さんたくろぉす様。――まぁ素敵! 私の欲しかった物です。どうして分かったのですか?』
 『私には君のことが何でも分かるんだよ』
 『まぁ』
 『他にも欲しいものがあれば何でも言ってごらん』
 『それでは、さんたくろぉす様の本当のお名前をお教えください』
 『そ、それは……』
 『それは?』
――ああっ、言えん!! 私が君の実の叔父だなんて……っ!」
「……もしもし、黎深様? あの、妄想はそれくらいにしておいてください」
「――なんだ絳攸、まだいたのか」
「…………。とにかく黎深様、そこまでで終わりになさってください」
「何故だ。私の思索を邪魔立てするのか」
「いえ、そういう訳ではありませんが」
「では、どういう訳だ」
「ここは『いらすと』のぺぇじだそうで……。長い語りなら『小説』ぺぇじにいけ、と天意が下りました」
「……ふんっ。どこのどいつか知らんが、偉そうに。まぁいい。終わらせてやる」

※小説ページに続きはありません(笑)



【イラストもくじ】
【TOP】
(C) asakawa itsuki
all right reserved.