「っふ…んっん」

ラッシュのくぐもった声が広い寝室に響いている。
ダヴィッドのシャツをギュッと握り締めながら、懸命にその舌の戯れに食らい付く。
しかし何枚も上手なダヴィッドは、あっさりとそのラッシュの抗議をひらりとかわして、口内を存分に味わう。

「っ、うぅ、んん…ッ」

ダヴィッドは手を伸ばしてラッシュの後頭部を押さえ込み、更に奥を貪る。歯列をなぞり、ゆるゆると舌を絡めてゆく。
唇から溶けていきそうな甘い口吻けに、ラッシュはじわじわと競り上がってくる興奮を覚える。
更なる快感を求め、思い切って自ら舌をのばしてダヴィッドの舌と絡めた。
一瞬離れる隙に唇からかすかに見える赤い舌が、ラッシュの中の感情を掻き立てる。

腰を抱かれて、後頭部を押さえられて、完璧にラッシュはダヴィッドに圧されている状態だった。
もうこのまま全てを任せてしまってダヴィッドの思うままにされたいと望み始めている自分の頭に、眉をひそめながらもその支配されているという感覚は心地良く、ひどくラッシュの胸をくすぶる。