16年のキノコ 小山 友叶
04.9.11日 留浦のキノコ
キノコ情報が「ともん」から入った。今年は早いと云う。マイタケが良いとのこと。そんな高級キノコはわがツボにはない。早速11日にいつもの小河内ダムも山梨県境に近い留浦へ行って7時から9時まで一回りした。結果はサクラシメジ、ウラベニホテイシメジ、ニンギョウタケ、キネツ、トキイロラッパタケなどの収穫があった。
サクラシメジは一つの場所で二キロほど。ウラベニホテイシメジのツボは杉の下枝を落としたので見つけるのが大変。見回して眼に付いたものだけを取ってきた。ニンギョウタケは大株で飾り物にするような株を頭にあちこちに出てた。久しぶりにトキイロラッパタケを摘んだ。他にはホンネツが僅か一株。あとはキネツ。キネツは沢山出ている。キネツは有毒とどの手引きにもあるが昔から食べているので良い株だけ取った。
両手と背負い籠で10キロにもなり、フラフラの膝ガクガクで場所によっては後退歩きで下りて11時には帰宅した。早速、ニンギョウタケをボイル後スライスして三杯酢に漬け、サクラシメジは煮込みうどん用に洗って適当に裂いておいた。キノコは早く処理しないと使えなくなるので忙しい。午後4時にうどんを打ち、麺にして、豚肉を買ってきた。ナスは畑のもう小さいナスしかないがそれを20個ほど皮をピーラーで剥いて水にさらし、フライパンに油を敷いて肉を炒めて取り出し、次にナスを炒めて取り出し、サクラシメジを炒めて取り出し、キネツを炒め煮すると驚くほど水が出る。この水は捨てる。ここまで下処理をしてあとは合わせて煮込む。味つけして麺を茹でて加える。
煮込みうどんの完成。残りのキノコはフードセーバーでパックして冷凍し作業完了。
今年はキノコが出ているから山は楽しい。これからはクロカワ、コウタケ、アミタケ、ナラタケ、クリタケなどの本命が出て来るだろう。
04.9.13日 小留浦のキノコ
留浦の手前の小留浦に登った。ここはツボまでの山道は鹿の背でみるべき処もないから飛ばしてツボの斜面を探した。以前にセンボンシメジを採っているのであるいはと期待したが見つからなかった。サクラシメジもキネツもなくウラベニホテイシメジが10キロほど採れた。アカヤマドリがまだ幼菌でコロコロしている。採るには痛々しいので見過ごした。アカヤマドリは夏のキノコだがそれが幼菌と云うのは山はまだ夏というところだろう。
帰りに山道を間違えて山際に設定されている「フェンス」に下りてしまった。これが難物で堆積した落ち葉で歩きづらい上にどこまでも続いていて切れ目がない。お陰で30分もロスした。山道は一本道なら間違わないがそれらしき道があちこちにあると踏み迷う。
04.9.16日 倉戸山のキノコ
新ツボ開拓とばかりにまた懲りもしないでキノコに行った。今日は倉戸山まで行ってみようと峰谷橋のたもとに車を置いて登り口を探した。トンネルの手前から山に入り倉戸山を目指した。途中鞍部で「女の湯」からの道と合流し、ひたすら目指す倉戸山へ登った。
山道はかなり急勾配で高度を上げ、そこからはやや緩くなった開けた尾根になる。南面は雑木の枯れ葉が厚くつもりキノコは見えない。左の斜面は落ち葉の堆積はなく見通しが良い。キノコは所々にウラベニホテイシメジの集団があるほか、早くもムラサキシメジを僅かだが採った。ムラサキシメジは晩秋のキノコと認識しているがアカヤマドリの幼菌もあり山は夏秋の混成というところ。
それにしても種類が少ない。サクラシメジ、ニンギョウタケそう言った雑キノコが見えない。チチタケが僅かだが採れた。倉戸山の二等三角点と道標をデジカメに納めて山頂は広いけれども視界は立木に遮られた倉戸山を10時20分に下山に向かった。重い籠を途中に置いてここまで登ったので帰りに探したが見つからない。大きな籠だがこれだけ山が大きくなると比例して斜面も広いので見つけるのが大変。漸く見つけたがこれからはよほどの大木とか特徴のある木を目標にして置くようにしないと見つからなくなると思う。
尚、往路に「女の湯」登山道の鞍部に来たときにこれを下りようかと思ったが来た道を辿った。辿ったつもりが間違えてまたまたフェンスに絡め取られた。もう体力も下ってきた急傾斜の山道を戻る力は残っていない。仕方ないのでなんとかフェンスの切れ目から道路に出るよりない。30分も檻の熊よろしくうろつき漸く生還した。やはり知らない山を登るときは分岐点に赤いテープを結んでおかないといけないようだ。次から「女の湯」登山道をこの方面のルートにすることにした。キノコはウラベニホテイシメジが殆どで20キロほどだった。帰宅してこれをボイルし、冷凍処理した。
あかやまどり 今年は多いように思う。撮影04.9.17日 画像提供 大沢飛映氏
さくらしめじ フェァリーリングを作るので一場所で満足
くりふうせん 味よし姿よしきのこのエース
くろらっぱ
にんぎょうたけ 若い菌を使ったスイトンは何杯でも食べられる。
キノコに当たる(9月26日)
今年はキノコ年でいろんな種類が出ている。9月11日にキノコ情報が「出てる」と入ったので早速確認に留浦に行った。
山に入ると見慣れないキノコが早くも山道に生えていた。クサウラベニタケが沢山出ている。『毒キノコでも出ていれば良い』とひとりごちた。キネツが出てるので『どうしょうかな』と思ったが、女房の注文だから綺麗なのだけ集めた。そのキネツを持ち帰って油を引いた中華鍋に入れて炒めた。驚くほど水が出る。すっかり水分を吐き出させて小分けにして冷凍し、後日の煮込みうどんの具にするつもりだった。
9月25日の夜、これとサクラシメジを使った煮込みうどんを作って食べた。その夜は何事もなかったが翌日はトイレに4回ほどご厄介になった。女房も同じようにトイレ通いだった。少しキノコの量が多かったのかな。以前にも当たってるから料理方法を変えたのだがまたやられた。どうやらキノコは料理方法を変えても毒性は消えないらしい。
キノコの先達には「キネツは止しておいた方が良い」と何回も忠告されている。それでも何とか食べられないかと人体実験している。別に特別味が良いキノコではないんだが。軽い中毒で吐き気も熱もなくただ単に下痢するだけだから下剤だと思ってる。次回は量を少なくして使ってみるつもりだ。 タマゴタケをポタージュにしてを食べて見たいと云ったら「タマゴタケは同定が難しい。小山さんのレベルでは食べない方が良い」とかなり失礼な事を言うけど軽いとは云え何度も当たっていては忠告に従うよりない。
秩父はこのキノコを「イッポンシメジ」と呼んでいる。ウラベニホテイシメジのこと。画像提供 町田鉄男氏
横瀬のマイタケ 横瀬にもマイタケが出るとは知らなかった。今年は賑やかだ。画像提供 町田鉄男氏
10月15日 熱海 香り松茸味シメジ ホンシメジは岩場に出る。プロでなければ採れないキノコ キノコの中の王者 画像提供 大沢飛映氏
ヤマブシタケ まるでシャンデリアた。 画像提供 大沢飛映氏
10月15日 ウラベニホテイシメジのバター炒め
ウラベニホテイシメジは慎重に採らないとクサウラベニタケとかイッポンシメジなどの毒キノコも間違って採りかねない。特にイッポンシメジはよく似ているから間違え易いとはどの参考書にも載っている。今年初めて入った倉戸山のツボで見つけたのはこのウラベニホテイシメジが殆どだった。目立って大きいキノコだからボキボキ折るように採った。
このキノコはバター炒めにして食べるのがベストと思っている。軸は繊維が堅いのでいまいちだが傘は柔らかくて美味しい。こればかり背負い籠に10キロも採って家に帰って早速さばいてボイルした。ボイルして水気をすっかり絞って小分けにパックして冷凍した。10袋も作ったから生だと1キロにも相当する量だ。もっとも一本で100グラムもある大きいキノコだから数では10本と言うところだ。
先日これをバター炒めにしてビールのつまみにして食べた。夜中に腹が痛くなって「???何んでだ???食べたのはデミグラスカレーだったけど???あれではないなあ。じゃ何だ???そうかキノコだキノコの食い過ぎだ」と思い付いた。「しまった。何時まで痛むかな。困った。薬飲むようかな。もう少し様子みてだ」と我慢していた。痛みは周期的に起こった。痛み出してから一時間弱。痛みは次第に遠のいた。助かった。食べた量は生で換算すると1キロにも相当するんだからいくらなんでも食い過ぎだ。キノコはそれでなくても消化は悪いのだからこれからはパックする量を少なくしないと食べすぎて今日みたいに腹痛を起こす反省した。
ただ手当たり次第に採ったキノコの中にイッポンシメジが混ざってなかったのが幸いでもあり「キノコの同定は確かなものだ」と今後の自信にはなった。